活動報告

第19回例会卓話「横浜市が取り組む男女共同参画行動計画案」

2015年11月13日

『横浜市が取り組む男女共同参画行動計画案』     
横浜市政策局女性活躍・男女共同参画担当理事
池戸淳子様

皆様初めまして。
横浜市政策局女性活躍・男女共同参画担当理事の池戸淳子と申します。本日は現在横浜市が取り組んでおります男女共同参画行動計画案につきましてお話しさせていただきます。
現在の日本を取り巻く状況は「女性も活躍できる環境を目指す」というより「女性に活躍してもらわないとやっていけない」と表現してもよいほど、女性の活躍なくして国は立ち行かないというところまできています。
ご覧いただいている数字は横浜市の様々な統計で明らかになった数字なのですが、73.8%というのは結婚や出産を機に仕事を辞める女性の割合です。大学を卒業後ほとんどの女性が就職するのにも関わらずこんなに多くの女性が仕事を辞めてしまいます。全国的平均でも約6割の女性が退職するのですが、横浜はより多くの女性が仕事を辞めていることがわかります。
そして92.6%という数字、これは仕事を辞めた、現在無職の20歳代から40歳代の女性の中でもう一度働きたいと思っている人の割合です。ほとんどの人が再び仕事に就きたいと考えているということです。
「高学歴女性」の割合は45.2%で、高い教育を受けた貴重な人材であるにも関わらずこのような実態が起こっているのです。
一方、男性の中で仕事優先で生きて行く、家庭や趣味や様々な楽しみは置いておいて仕事中心に生きて行こうと考えている人は6.7%しかいません。にも関わらず34.2%は結果的に仕事優先の生活をしているとの結果が出ています。これはとても重要なことで、真ん中に大きく書かれている30万人という数字に繋がりますが、この数字はいわゆる家事層、無職女性の数です。横浜市の大きなポテンシャルと解釈できると思います。
その他、99%というのは中小企業と呼ばれる企業の割合、13.0%は横浜市役所の課長職以上の中の女性の割合、14/86は横浜市会議員の総数の中の女性の数、、、と続きます。
次に、市外内への通勤者割合と女性労働力率というグラフをご覧下さい。緑色の曲線が労働力率を示していますが、20歳代から40歳代のところで一旦大きく下がり、そこから徐々にまた上がって行く形が見えると思います。これがM字カーブと呼ばれる状態です。女性労働力は30歳代に入ると徐々に下がり始め、35~39歳では約55%で谷間を形成しており、横浜市は全国平均よりも10ポイントほど、この谷間の切れ込みが低くなっている、つまり結婚、子育てをきっかけに離職する女性が、全国と比較して多くなっているということがわかります。
また横浜市民は市外への通勤が多く長時間通勤者が多いわけですが、他都市との比較をみていただくと、通勤時間が短いほど女性が仕事を継続できていることがわかります。ですから、私たちとしては、もっと市内で、多くの中小企業のみなさまの職場で、働く女性が増えていってほしいと考えています。
以前から「女性が働くと出生率が下がる」という話がまことしやかに信じられていました。本日この会場におられる年配の男性のみなさまの中には本当にそれを今も信じている人が今もいるのではないでしょうか。実はこれは根拠がないばかりか、実際は全く逆。「働く女性が多いほど出生率も高い」というデータは、国際比較でも、国内の地域間比較でも明確に証明されています。女性が働くことは、少子化問題の解決にも繋がるのです。
「ダイバーシティマネジメント」とは、個人や集団間に存在する様々な多様性を組織や経営の活力に生かす考えで、女性の活躍推進もそのひとつです。女性ならではのアイデアが新しい商品やサービスを生み、仕事と家庭を効率よくすすめようとする工夫が組織や職場の改善を引き出す。女性の活躍支援に熱心な企業や、男女のワークライフバランスを真剣に進めている企業は経営体質も強いことがわかっています。
女性が活躍できるためには、「24時間働けますか」のような男性社会の働きかたを変え、男女ともに仕事にも家庭にも責任と喜びを共有できるよう「ワークライフバランス」に取り組むことが必要。データ的にはその結果経営上のパフォーマンスは上がっていますし、女性取締役がいる企業の方が株式のパフォーマンスも高く、女性の勤続年数が長い企業ほど利益率が高いなど、あらゆる面で良い結果が表れています。
そして、先ほどの30万人という数字を見るにつけ、彼女たちに横浜で再就職してほしいという思いが高まります。男女ともに、地元で子育てをし、仕事もやりながら、ゆくゆくは介護に至るまで身近な横浜で過ごせればと思います。
現在策定中の「第4次横浜市男女共同参画行動計画案」でキーワードとなるのが、「市内中小企業、再就職、若年層、シングルマザー」です。これらの課題に取り組み、さらに女性活躍の場を推進していきたいと考えています。
現在我々はワークライフバランスなど企業の取り組みを支援する「よこはまグッドバランス賞」、働く女性を支援するためのネットワーク作り、再就職支援のためのプログラム、セミナー、女性の起業を支援するシェアオフィス、トライアルスペース、林市長を中心とした女性の社会進出を加速させるための国際舞台での情報発信等あらゆる方法で女性活躍について取り組んでいます。
少し、私の学生時代のお話をします。私の就職活動は男女雇用均等法施行の少し前、1984年でしたが、当時は女子学生は「自宅通勤」「通勤時間90分以内」「現役合格性」の3条件がそろわないと就職先がありませんでした。役員面接で言いたいことも言えずに泣き出した者が合格する、そんな時代でした。それを考えると時代は大きく変わったと思います。
それでも、今でも変わらない問題もある。たとえば「マタハラ」。皆さん妊婦ってジャマですか?職場に妊婦がいたらめざわりですか? 電車で妊婦やベビーカーを見た瞬間舌打ちをする人がいます。「マタハラ」という言葉は日本にしかありません。「過労死」という言葉も概念も外国にはありません。日本の自殺者は年間25000人を越えますが、その7割は男性です。日本では男性も生きにくさを強いられているのであり、男女ともに働き、ともに家庭や子育てを担うことは、結果として人生のリスクヘッジにもなるのです。
最初に戻ります。「女性も活躍できる環境」を目指すのではなく「女性に活躍してもらわないとやっていけない」んです。
皆様、お嬢様やお孫様の生きるこれからの社会に、ぜひ思いをはせてください。そして、どうか「働きたい」と思っている30万人の横浜の女性に、働く場所を提供してください。
我々は林市長のもと強い意志と共にこの仕事を推進して参ります。
本日はこのような機会を与えていただき心より感謝申し上げます。


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