活動報告

第28回例会卓話「横浜市の教育現場における女性の活躍」

2016年01月29日

みなさまこんにちは。横浜市教育長の岡田優子と申します。
本日はこのような貴重な機会をいただき心より感謝致します。

せっかくの機会ですので教育長としてこの場で、横浜市の教育の現状について皆様にご理解いただきたいと思っておりましたところ、単にそのような話ではなく横浜の教育現場での女性の現状について話すということを伺い、本日午前中に1時間準備の時間を確保しておりました。
ところが、今朝になり、ある事件が起こってしまい、その対応に追われ、結局ほとんど事前準備をする時間も無くぶっつけ本番となってしまいました。
というわけで、資料もほとんど無く思いつく事を話して参りたいと思います。

唯一お持ちした資料ですが、お持ち帰りになってごゆっくりお目通しいただければと思います。ただ一点、7ページをご覧下さい。学校数のグラフになりますが、このグラフから最新の数は栄区で1箇所統合があり今は510校となっています。
児童数は全体としてはピークの時から少しずつ下がっているのですが、実は横浜市全体が同じ動きではなく、港北区、鶴見区などは増加傾向にあります。特に港北区はまだまだ今後も増える見込みで、このグラフのような動きで減少するのは横浜市の中で最も遅いと見られています。児童数が増えると学校も足りなくなるので新しく作る必要があるのですが、土地価格が高騰してなかなか思い通りに確保できない状況にあります。マンション業者と競争、取り合いをせざるを得なくなります。マンション建設を抑えることが重要な仕事だったりもします。
大きな工場が移転して、そこがいきなりマンションになって、学校を作るために学校用地として買おうと思っても、市の土地を買う評価の関係でマンション市場価格の1/2しか出せないというようなこともありました。
そこでマンション建設予定地と小学校の土地を交換して、大規模な小学校を建設したり、下水処理場用地を利用するなど、色々な方法で対応することとしました。下水処理場用地は、10年経ったら返すことで国土交通省から承諾をもらいましたが、10年後の予定の児童数が減少するかどうか難しい状況です。

また、逆に児童数が減少する地域においては統合が行われますが、この統合が難しい。子どもが少なくなると、男女のバランスや学年間の人数が極端なものになったりすることもあり、更に周辺に適当な学校が無いと統合ができなかったり、横浜の学校なのにも関わらず、離島のような風情になってしまうこともあります。皆様には、人口が増えている地区につきまして、教育のために使えそうな土地があったらいち早く情報をいただき、教えていただきたいと思います。
さて、このような状況の中、その現場で女性がどう教育を考えているか、どのように活躍しているのかということですが、自分の小学生時代ははるか昔です。1952年生まれの私が小学生の頃、子供はいっぱいいて、世の中は活気に溢れ、先生も大人もとても厳しく学校に文句を言う人などいない時代でした。
現在横浜市の小学校では3分の2が女性教諭です。しかし管理職となるとこの数字は逆転してしまいます。そして中学校の先生となると男性が多く、管理職には女性はほとんどいないのです。やはり家事や育児などの負担があったと思います。ちなみに養護教諭は100%女性で、対教師暴力にあったなどという報告はありません。どの学校でも問題なく勤められているようなので、女性だから生徒指導ができないとかいうわけでもないと思います。
子どもも教師もほぼ男女半分ずつなのに、このような不均衡が発生するのは例えばライフスタイルの問題、自分が管理職の場合なかなか自己都合では休めないので、自分の子供の節目の行事に参加しにくいとか、家族の問題が絡んでいるのではないかと思います。

私は優秀な教師をスーパーティーチャーと勝手に呼んでいるのですが、例えばこのような方々は優秀教員表彰といった形で表舞台に出てきてくれます。ここでは大体男女半々なのです。なのに、なぜその後彼女らが仕事を続けていくに当たって、経営やマネジメント業務を嘱望するようになっていかないのか、残念です。       
今はまだまだ管理職は男性ばかりです。その中で自分らしさを出したり、対等に渡り合っていくには、女性というだけで様々な壁があるのだと感じます。

私の仕事もやはり男性社会なので、好きな服装をしていると、黒とかグレーの中で目立って浮いて見えたりするんです。市長は別です。華やかでいいんですよ!どんどん目立っていただかなくてはいけませんから。立場立場でいろいろとあるものです。
私も区長時代はそれなりに華やかな服装で 3年間過ごさせていただいたんです。周りの男性からも、「せっかく女性なんだからそれを活かして」なんて言われまして。私はピンク、赤、若草色みたいな好きな服を着ました。男性社会で仕事するのってこういうものだなって感じながら過ごしておりました。

私は大学受験に失敗し失意の中で市役所に拾われたという過去があります。最初に配属された都市整備局は男性中心ですが、その先輩達が可愛がってくれて、面白くて、勉強になって、毎日楽しい教育を受けていました。その後建築局、ここも女性の職員、管理職はほぼいない。それなりに仕事ができるようになると女性だというだけで足を引っ張られることもありましたが、その足を蹴っ飛ばして奮闘する毎日でした。
課長になり、女性の後輩が生まれると自分はロールモデルとならなければという意識が芽生え、男性とぶつかり合っているばかりではなく、悪く言えば猫を被ってでも男性社会に溶け込もうともしました。自分では自分のことを強いとは思っていないんですが、そうする内に不思議なことに徐々にいろんなことが実にスムーズにいくようになってきました。
そして今はというと、思うとおりに進めてみたいなと思っています。教育委員会制度が改正されました。経済界、保護者、教員出身者等の合議体である教育委員会が今まで以上に市長と連携して進めていくことになりました。また教育長は教育委員会事務局の長であり、教育委員会を主宰するという強い権限も与えられました。それゆえに、謙虚に行動しなければと思います。
大阪市では色々言われていますが、橋下さんは教育予算を増やしました。また、全学年の学力テスト等それまでやりたくてもできなかったことができるようになりましたが、横浜では10年も前から実施しています。民間の力の活用も横浜では以前からやっています。着々と続けてきたことが今、効果として表れていると思います。

今、私が取り組んでいることも10年、20年先の横浜のためです。保護者も子どもも半分は女性ですから、多くの女性に管理職になってほしいです。それは教育のためになります。現状は子育てがあり、それが終わると介護問題、多くの家事がまだまだ女性に降りかかってきています。
私の場合は母の介護を1年半したことがありますが、その時の夫の協力は一生忘れません。今は、多少のワガママを言っても、許せると思っています。皆様方男性のご協力、ご支援が必要なのです。
女性の活躍ではなく自分の話をしてしまいましたが、お願いがあります。
学校で働く教員にエールを送ってほしいのです。100回理不尽な文句を言われても1回の「ありがとう」、1回の「頑張って」で何年も頑張れるんです。とても褒められない人は放っておいていいですから、頑張っていると思う人にエールを送ってほしいです。
そして身近で何かおかしいなと気付いたら必ず校長先生に伝えていただきたいです。子供がコンビニの前でたばこ吸っていたとか、あれはいじめじゃないかとか、どんなワルでもなかなか小さな子なんていじめないんです。そこには必ず何かの事情があるはずです。早ければ早いほど、どちらも救うことができるのです。ネグレクトと呼ばれる虐待もあります。食事の用意をしてもらえなければ、子どもはお腹が空いて万引きします。区役所でも学校でもいいですから、一報していただきたいです。

これはきちんとした統計ではないようですが、日本ではいじめに遭って自殺する子供がいます。アメリカではいじめられた子が殺人者になるというのです。文化の違いなのかもわかりませんが、なんとしてもいじめは食い止めたいと思います。

そして、最後にもう一度女性管理職の少なさと必要性を訴えさせていただいて、私の話を終わらせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。


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