活動報告

第29回例会卓話「スマートウェルネス住宅について」

2016年02月05日

みなさま、こんにちは。ナイス株式会社の木暮でございます。本日はみなさまにお話しする機会を頂き誠にありがとうございます。ナイスグループの新しい取り組みである「スマートウェルネス住宅」についてお話させて頂きます。
本題に入る前に、今朝方、神奈川県東部を震源地とする地震がありました。私が住んでいる鶴見区でも「震度3」の揺れがあったようですが、日課であるワイシャツのアイロンがけをしていて、全く気付きませんでした。妻に言われて地震があったことを知りました。数年前に弊社分譲の「免震マンション」へ住み替えてからというもの、地震の揺れに恐怖を感じる経験がほぼなくなりました。また、家族が安心できる住まいの重要性を改めて実感しております。5年前の東日本大震災でも、仙台の弊社分譲の免震マンションでその効果を発揮し、ご入居者様から高い評価を頂きました。
ナイスグループは、阪神大震災で亡くなられた方のうち6割以上の方が、「倒壊した家屋や家具の下敷きになったことが原因」という調査結果から、「住まいは命を守るものでなければならない」という使命のもと、住宅総合商社として全国の住宅関連業者様と一緒に、一般ユーザー様に向けて広く地震に強い家づくりを提唱しております。そして、自社で供給するすべてのマンションを「免震構造」または、耐震強度1.25倍の「強耐震構造」とし、更に今年度より全物件「免震構造(ノブレスブランド)」を採用する方針となりました。
現在注力している一戸建事業では、ナイス株式会社のルーツである「木材」を活かし、地震に強い住まいづくりの精神を継承しながら、人と環境に優しい住まい「スマートウェルネス住宅」を展開しています。
≪なぜスマートウェルネス住宅なのか≫
2年前、2013年の国民医療費が7年連続過去最高更新で、初めて40兆を超え、国民一人当たり年平均31万4700円になるというニュースが流れました 。65歳以上の要介護・要支援者の認定者数も平成24年度545.7万人(比平成13年度+258万人)と年々増えています。国民医療費と介護費の2025年は医療費が68兆円と2010年の2倍に、介護費が24兆円と3倍になると予測されています。疾病を予防することで費用の増大を抑制する必要があります。国は平成25年に閣議決定したアベノミクス・日本再興戦略の中に、「健康寿命の延伸」を挙げています。健康寿命とは日常に制限のない期間の寿命で、平均寿命と男性で約9年、女性で約12年と較差があります。その間は要介護や寝たきりになってしまい、健康でいられない期間となります。
疾病、病気の原因を考えた時、何が影響するか、首都大学名誉教授の星先生は、生活習慣が50%で個人による一次予防で防ぐとしていますが、その次に環境が20%でゼロ次予防として健康的な住環境が提供されることが必要としています。よく考えると睡眠時間が6時間として1日の1/4、人生の1/4は最低限家で過ごしています。また、NHK放送文化研究所の2010年の調査によると家で過ごす平均時間は15時間以上という結果もあります。つまり、我々住宅供給に関わる者が、健康的な住まいを提供することが、健康寿命の延伸につながると考えられます。
イギリスの保健省は、冬季の室内温度が低いと健康リスクがあり疾病につながるという指針を打ち出しており、住宅の断熱性向上と適切な暖房の重要性を指摘しています。21℃を推奨温度、18℃を許容温度とし、16℃未満はリスクありと判断され、特に質の悪い賃貸住宅は強制改修命令が出るほどです。皆さまの住まいの温度はいかがでしょうか?
10ページのグラフをご覧いただくとわかるように、交通事故は年々減少していますが、家庭内事故は年々増加傾向にあり、実に交通事故死の3倍にのぼります。特に多い事故が「入浴中の事故」であり、10年で7割増となっております。そのうち9割が65歳以上の高齢者であり、脱衣所と浴室などの温度変化による「ヒートショック」が主な原因と言われています。このような循環器疾患の主要因となる高血圧の予防については、住宅内の「温熱環境の改善」により、予防できる可能性が十分にあると考えています。
日本の住まいの39%は無断熱で寒く健康配慮がないのが現状です。地域差で言いますと、積雪の多く明らかに寒い北海道や東北地方に比べ、それなりに寒い北関東の断熱対策が進んでおらず、リスクが高いそうです。それに伴い、暖房器具などのエネルギー効率も悪くなります。自動車産業はめざましい開発技術より、交通事故を減少させ、燃費の改良や次世代エネルギー活用など人にも環境に優しく劇的に進化しています。住宅産業も負けずに進化させていかなければと思っております。
≪ナイスのスマートウェルネス住宅の取り組み≫
ナイスとしましては、スマートウェルネス住宅を、「スマートハウス=家電や太陽光、HEMS、蓄電池、電気自動車など、住まいのエネルギーを最適制御し、環境に優しいエコな住宅」+「ウェルネス住宅=安心・安全で赤ちゃんから高齢者や障害を持つ方まで、みんなが健康で暮らせる住まい、生涯暮らし続けることができる家」と考え、研究・展開しております。
昨年10月末にナイス本社前に「スマートウェルネス体感パビリオン」をオープンしました。横浜市と慶応義塾大学伊香賀研究室との共同プロジェクトで、住宅に求められる「温熱」「空気」「睡眠」「安全・安心」「省エネ・エコ」の領域を体験により楽しく学べる施設となっています。オープン以来、一般のお客様や国内の住宅関係者だけにとどまらず、海外の政府関係者の方々の視察でもご来館いただいています。
14ページをご覧ください。ナイスと慶應義塾大学との共同研究の一環として、パビリオンセンター棟のくらべルームで、弊社の社員(中年)と伊香賀研究室のゼミ生(青年)が参加した実験の内容です。「部屋の断熱性による血圧の違い」について計測した結果、「無断熱の部屋より高断熱の部屋」、「一般の床材より無垢木材床」の方が血圧低下するというデータが確認できました。また、ほかにも「内装の木質化による睡眠の質の向上・知的生産性向上」などの実証実験も共同で行いました。木と健康の関連性ほか様々な実証実験を今後も行う予定です。
そのほか、鶴見小学校5年生の家庭科授業では、パビリオンにおける色々な体感に関するグループワーキングを行ってもらい、普段なかなか勉強することのない“住まい”について学んで頂きました。また、「ヨコハマ・エコ・スクールのエコ講座」などの地域連携の企画も展開しております。
今後も住まいと産官学一体となり、スマートウェルネス体感パビリオンより、健康と住まいに関する様々な情報を発信していきたいと考えます。また、我々が健康でエコな住まいを提供することが使命だと考え、今後もスマートウェルネス住宅を推進して参ります。


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