活動報告

第43回例会卓話「ビーチサッカーの魅力」

2016年05月27日

インテル・ビーチサッカーマネージャー 山本直明様


皆様、はじめまして。
神奈川を拠点に活動しております、インテルジャパンビーチサッカーの山本と申します。
この度は貴重なお時間を頂戴しまして、誠にありがとうございます。
本日は、皆様にビーチサッカーというスポーツが、どういったスポーツなのか、また世界、日本ではどのように普及、展開されているのか、ご紹介をさせて頂きます。
よろしくお願い申し上げます。

■ビーチサッカーとは
ビーチサッカーという競技は、ブラジルで生まれた、砂の上で戦うサッカーの一種です。1992年には統一ルールが制定され、現在ではFIFA(国際サッカー連盟)によるワールドカップも開催されるほど世界的に認められたスポーツとなっています。試合中はオーバーヘッド等のアクロバティックなプレーが多く見られることが特徴的で、豪快かつ高い競技性をもったスポーツです。
世界中で行われているこのスポーツの試合会場、大会会場を見ると、雰囲気はまさにお祭りそのものです。例えば、FIFAワールドカップ等の公式試合でも、選手同士の声も聞こえないほどアップテンポな音楽が大音量で流れ、観客は水着姿など自由な格好で、時にはお酒等を飲みながら観戦しています。試合の合間にはハーフタイムショーが行われ、各所に観客を楽しませるコンテンツが盛り込まれた、エンターテイメント性の高いスポーツとなっています。そういった意味では、同じフットボールといえど、11人制のサッカー、フットサルとは少し異質なスポーツと言えます。FIFAワールドカップの開催地を見ましても、ドバイ、イタリア、タヒチ、ポルトガル等、リゾート地のセレブリティなコンテンツのひとつとなっています。お祭り騒ぎが大好きなブラジルならではのスポーツといえるかもしれません。

■世界における展開
このビーチサッカーが、世界的にどこの国で発展しているのか、強豪国と呼ばれるのか、ご紹介していきたいと思います。まず、発祥の地であるブラジルはもちろん、スペイン、ポルトガル等、やはり11人制サッカーでも強豪国として有名な国が、ビーチサッカー界でも中心となっています。しかしながら、ビーチサッカー特有の強豪国も存在します。それがロシアやスイスです。ロシアはFIFAワールドカップを連覇した事もあり、スイスもワールドカップ準優勝経験があります。両国ともに共通している事が、ビーチと呼ばれる海がない国という事です。このような国は、内陸にビーチサッカー専用スタジアムをいくつも持っており、国内ではプロリーグが盛んに行われています。時には室内コートで、気温、天候関係なく、トレーニング・試合を行い、定常的にビーチサッカーを行える環境があることが、国として高いレベルを保っている理由のひとつと言えます。
次に、このスポーツが世界でどれほど盛り上がっているのか、ご紹介致します。ひとつ例を出すと、ブラジルの有名な試合では、約6万人の観客がある大会があります。わかりやすく比較すると、Jリーグの昨年(2015年)の平均観客動員数が約17,000人です。その中でも一番平均観客動員数が多いクラブが浦和レッドダイヤモンズですが、それでも約38,000人ほどです。世界では、それを遥かに上回るほどの観客を動員できるスポーツなのです。大会、リーグとしては、FIFAワールドカップをはじめ、EURO、セリエA等、11制サッカー同様の大会、リーグが存在します。クラブとしても、バルセロナ、インテル、AC・ミラン等、有名クラブがそれぞれビーチサッカーのカテゴリーを持ち、存在します。時には世界的に有名なサッカー選手(ロマーリオ、カントナ等)が、サッカーからビーチサッカーへ転向してサッカー界を賑わせるニュースとなったり、娯楽として余暇にプレーしたり、トレーニングの一貫としてビーチサッカーを取り入れたりというトピックが数多く存在します。

■日本代表について
それでは日本でのビーチサッカーの環境はどのようになっているのか、ご紹介します。まず日本代表としての活動ですが、先程お話したFIFAワールドカップにも全て出場しており、最高成績はなんとベスト4です。元ビーチサッカー日本代表監督のラモス瑠偉さんも、サッカーカテゴリーの中で、日本が一番世界一に近いスポーツと発言されています。昨年のポルトガル大会では、アルゼンチン、セネガルに勝ってグループステージ突破。決勝トーナメントベスト8で惜しくもイタリアに敗れるという結果でしたが、世界に日本の強さをしっかりとアピールできた結果だったと思っております。露出という面では、メディアの方々もご協力してくださっています。先般のポルトガル大会中は、キー局のニュースで試合結果が放送され、一般の方々にも認知が広がりました。またビーチサッカーのワールドカップは2年に1回ということもあり、注目される機会が多いことも特徴的です。

■日本代表選手のご紹介
 ここで、もしも何かのきっかけでビーチサッカー日本代表の試合をご覧になる機会があった際に、注目すべき選手を2人ご紹介します。
まず一人目は、茂怜羅オズ選手。1986年1月21日生まれの30歳で、ブラジル出身の選手です。2012年に日本に帰化しました。帰化の経緯として、2007年に日本に来日したのですが、日本人や文化に感銘を受け、日本人への憧れを持っていたようです。それをラモス瑠偉氏に相談し、帰化に向けて動き始めたと言われています。ビーチサッカーセンスは抜群で、ブラジル代表にも名前が挙がるほどの選手です。世界的クラブのバルセロナでもプレーした経験があり、現在は、日本代表の10番を背負い、活躍しています。
もう一人は、後藤崇介選手です。1985年6月4日生まれの、神奈川県出身者です。元々はプロサッカー選手だったのですが、2006年にビーチサッカーへ転向。約3ヶ月で日本代表に選ばれ、現在まで活躍中です。個人としてはアジア人初の欧州リーグでプロ契約選手となり、世界トップクラスのスイスリーグや、イタリアのインテル、ACミラン等でプレーしています。国際大会ではクラブでも日本代表としても得点王を何度も受賞。生粋のストライカー。日本ビーチサッカー界のパイオニアです。ぜひ、この2選手に注目してみてください。

■日本における普及・展開について
 日本におけるこのスポーツの競技者の拡大という面では、どんどん裾野が広がっています。現在では2015年4月に一般社団法人日本ビーチサッカー連盟が発足し、同連盟管轄のもと日本各地で地域リーグが発足し、展開されています。今年、第11回を迎えるJFA主催のビーチサッカー全国大会をはじめ、競技者が目指す道筋は急速に整備されてきていると言っていいでしょう。しかしながら、ビーチサッカーを行う場所の整備という意味では、まだまだ遅れていると言わざるをえません。上記で上げた大会の多くは、ビーチに特設コートを設営して開催されますが、年間を通して毎日トレーニング、試合を行うというわけにはいきません。ビーチサッカー専用コートは全国でも数カ所しかなく、首都圏ではゼロという状況です。これはサッカー場、フットサル場と比べてみると、歴然とした差があります。フットサルを例に出しますと、昨今では至る所にフットサル場があり、初心者から女性まで多くの方にフットサルを楽しんでもらう土壌があります。同じように、ビーチサッカーを気軽に体験する・楽しめる環境があれば、一般的な参加者の拡大や、その先の競技者(プロ)の活動場所として、日本国内における普及の大きな動力となるでしょう。競技場の増加、環境の整備は、多くのビーチサッカー関係者の願いであり、早急に対応するべき課題でございます。

■最後に
ビーチサッカーは、裸足でおこなうスポーツです。ビーチに不純物があっては危険な為、試合前、大会前には必ず選手・関係者一同でビーチクリーン(ゴミ拾い)を行います。つまり、ビーチサッカーの大会が開催されれば、大会後にはそのビーチが綺麗になるという循環が可能という事です(もちろん一回で全て綺麗になるというわけではありませんが)。日本は島国なので、水辺資源は豊富にあります。しかし、昨今では海水浴場の治安悪化の影響により、制限が増えてきているのが実情です。結果、ビーチへ遊びに行く人口も減ってきているようです。そこで、このビーチサッカーという浜辺を利用した健全なスポーツの影響をもって、またビーチに人が集まり、ビーチが綺麗になり、新たなビーチの楽しみ方のひとつとして皆様に楽しんでいただけるよう普及・展開していきたいと思っております。
ぜひ皆様にはこのスポーツの面白さ、意義にご賛同していただき、応援していただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。



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