活動報告

第4回例会卓話「人生の意義と地区方針」

2016年07月22日

「人生の意義と地区方針」
     第2590地区ガバナー 高良明様

ご紹介頂きました本年度ガバナーを拝命いたしました川崎西RCの高良と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
大野PGには日頃よりご指導頂きありがとうございます。

人生の幸福とは(人生の意義について)
(1)生きる意味
「生(しょう)を明(あき)らめ死を明むるは、仏家(ぶっけ)一大事の因縁なり」(「修証義」道元禅師1200-53)
人間はこの世に生まれた以上、必ずやいつか死ぬものですが、避けることのできない厳粛な死を見つめることによって、はじめて生きる意味を理解し、幸福の人生を送れるものです。人生は苦の連続とも言えますが、その中にこそ真の生きる意味があります。
ナチスドイツによる強制収容所での800万人ともいわれる組織的集団虐殺(アウシュビッツ収容所だけで300万人)の体験記録をまとめた、精神科医のユダヤ人ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読むと、内面的拠り所、希望とか生きる意味、勇気、愛、奉仕を失った人間は、皆崩壊していった、と記されています。

(2)幸福の四角形
人間は古今東西、生ある限り幸福を求めてやまない動物ですが、それでは一体何が幸福と言えるのでしょうか?病気の人にとっては「健康」であることが、愛情から見放されている人にとっては「愛情」に充ちることが、財の乏しい人にとっては「財産」があることが、夢を求めている人にとっては「自己実現」を叶えることが幸せであると言えるでしょう。人間は欠乏しているものを求める欲求本能がある動物だからです。アメリカのある心理学者が、「幸福」とは何か?について大勢の方を対象にアンケート調査をしたところ、次の四つに分類できたそうです。
①健康
②愛情
③富
④自己実現(自己表現)
この四つのカテゴリーがバランスよく伸びている状態が「幸福」と定義しました。また古代ギリシャの大哲学者アリストテレスは、「善」をもって「万物の希求するところ」として、「善く生きる」ことが幸福にほかならないとしました。アリストテレスは、「幸福」とは人間固有の卓越した能力や徳をもって善く働いている(奉仕)状態と考えたようです。人によって定義は異なりますが、上記の富や自己実現、あるいは卓越した能力や徳の働きなどは、大いに人間関係や職業、仕事に関係があるものと思います。

2.職業の意味と職業奉仕
それでは職業や仕事とか言われるものは、どのような意味や価値があるのでしょうか?
解雇された人の幸福度は、失業給付を高額にしても回復しないと言われ、英国の経済紙「エコノミック・ジャーナル」の13万人を対象とした追跡調査では、「人生の出来事のうち、幸せに最も影響するのは長期にわたる失業状態であり、1年以上の失業が続いた人の幸福度は元に戻らない」と報告されています。それほど人間にとって仕事は重要な人生問題であり、善く生きるか否か大きな課題です。

(1)職業(仕事)の意味と価値
職業(仕事)の捉え方はさまざまですが、これを整理すると次の四つのカテゴリーに分類できます。
①生計維持のため(資命・・命をたすける)
②自己実現のため(志命・・自己の望みを全うするため)
③組織維持のため(支命・・組織の維持存続のため)
④社会奉仕(貢献)のため(使命・・天職として)
このように「職業」(仕事)そのものに、自己への奉仕、他人への奉仕、社会への奉仕という奉仕の意味が内包しています。

(2)ロータリーの目的と職業奉仕
「ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むこと」にあるわけで、これをロータリーの目的としてロータリー運動が展開されてきたわけです。
職業奉仕がロータリーの金看板と言われる所以です。

1989年の規定審議会における「職業宣言」において、「職業は奉仕の一つの機会」として規定されており、職業奉仕とは、職業を通じて自己をも含めて、社会や他人のためになることと定義できそうです。「職業奉仕」は原語では、「Vocational Service」でありますが、これは先に述べた天職、使命に基づいた職業の意味で、職責を尽くし、社会のためになる事業を営むことが大切であることを物語っています。
渋沢栄一(1840~1931)は、幕末から明治に生きた方で、株式会社500社、非営利企業600社ほどを立ち上げた日本近代資本主義の創始者です。「ビジネスは倫理に基づく限り、決して卑しいものではない」として、「道徳経済合一説」「論語算盤説」を説きました。
様々な農政改革をした二宮金次郎(1787~1856)は、「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」と言っています。
 松下幸之助さん(1894~1989)は、尋常小学校を中退し、満9歳で大阪船場に丁稚奉公をして、商いの基本を学んで、ナショナルブランド世界の総合電機メーカー松下電器産業(現在はパナソニック)を創り上げた経営の神様と言われた方です。
「営利と社会正義の調和に念慮し国家産業の発達を図り社会生活の改善と向上を期す」と綱領に謳い、「商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」と強調しております。シェルドンの「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」というロータリーの実践倫理の哲学と似ている言葉です。いずれも職業奉仕を全うされた方だと思います。

3.地区方針
さて、今年度RI会長ジョン・ジャームさんは、「人類に奉仕するロータリー」(Rotary
Serving Humanity)とRIテーマを掲げました。このテーマは、ロータリーそのものの普遍的なテーマといってよいでしょう。Humanityという言葉には、①人類②人間性③思いやり、といった意味がありますので、「思いやりを持って人に接し、自分自身の人間性(高潔性)を高め、人類に奉仕する」こととなり、まさにロータリー運動そのものの本質といえます。私は、これを受けて地区方針を「クラブの魅力創りと活性化」といたしました。
魅力創りには、①ロータリーの目的や意義、使命を理解すること(Mission)。目的や意義、使命を理解せずして、善き生きることはできません。人生の意味を理解せず充実した幸福な人生を送ることはできないのです。
②会員、人を尊重し大切にすること(Member、組織は人なり)。心理学者のアドラーという人は、すべての悩みは「人間関係」であると言っております。人間は他者を前提に生きているからであり、一人では生きていけないからです。対人関係を抜きにしては人生語ることはできません。
③クラブ運営をしっかり適切に行うこと(Management)。人生や組織をより良く効果的に運営することがビジョンや目標達成への必要なことです。組織の魅力創りには、少なくともこの3つのMが必要です。
しかしながら、皆さんご承知の通り、この4月の規定審議会において、ロータリーの方針の見直しが行われ、クラブ運営に大幅な変更、いうなれば「柔軟性」を認める決定が下されました。入会金、例会運営、出席要件、会員種類等、大変重要な変更がなされました。クラブ細則を変更して独自なクラブ運営ができるという、大変自由な柔軟性のある規定に変更されたわけです。したがって不易と流行、統一性と独自性や多様性をどのようにバランスをとるか、クラブの真価が問われることとなりました。どうか十分お考えいただき、見識のある適切なご判断をお願いしたいと思います。

 さて、具体的な地区方針に基づく戦略といたしまして、
まず本年度は、ロータリー財団の父と呼ばれる6人目のRI会長、アーチ・クランフが、1917年アトランタ国際大会で「ロータリーの基金をつくり、全世界的な規模で慈善、教育、その他社会奉仕の分野で、何かよいことをしよう」と呼びかけて100年となります。この記念すべき年度におきまして、地区ではR財団100周年記念委員会を設け、岡本PGに委員長をお願いいたしました。地区大会をはじめ、様々なイベントにおいて、R財団100周年を祝ってまいりますので、ご協力のほどお願いいたします。
「ロータリー財団100周年を祝おう!」ということで、日本ロータリー学友会主催にて、この11月27日(日)ジョン・ジャームRI会長を迎えて、「ロータリー財団100周年シンポジウム」がJPタワーホールにて開催されます。多数のご参加をお願いいたします。詳細は追ってご連絡いたします。

①今年度のIMを地区全体統合して、職業奉仕を中心とした「経営大講演会」を来年4月22日(土)神奈川県民ホールで実施することになりました。委員長に箕田直前ガバナーになって頂き、横浜商工会議所のご支援も頂くことになっております。企業が永続する条件など職業奉仕、経営のあり方を中心に講演やシンポジウムを開催する予定でございます。ロータリアンはもとより一般事業者の方もお呼びして、ロータリーのことを少しでも分かって頂き、ロータリー財団100周年を記念し、また広報・公共イメージ向上につなげたく思っております。
②また地区社会奉仕委員会、広報・公共イメージ向上委員会が中心になり、身障者にも参加頂いて、来年の2月頃に「チャリティマラソン大会」をロータリー財団100周年記念の一環として、大野PGの委員長のもとに実施する予定です。
③来る11月11日、12日の2日間にわたり地区大会をパシフィコ横浜会議センターで執り行います。1グループ2クラブの奉仕活動事例発表やクラブブースを設け、クラブ参加型の地区大会にしてまいりますので、よろしくご協力のほどお願いいたします。
④また地区内クラブの活性化の一助として、「卓話バンク」を設けました。登録者は現在35名ほどですが、横浜東クラブさんにも大勢卓話者としてご登録頂きますようご協力のほどお願いいたします。
⑤またクラブ会長のご協力を頂いて、「クラブの活動状況調査」を作成いたしました。会長中心に将来のビジョンを設定され、戦略計画を立てるべく、ご活用頂きたくお願いいたします。
⑥地区は会員減少が著しく、会員増強は喫緊の課題です。会員増強の目的は、①多様性のある友人をつくる、②「奉仕の理念が人間の幸福と世界の平和につながる」ことを知ってもらう、③きめ細かい価値ある奉仕活動を行う、④クラブの存続にあります。前年度は二つのクラブが消滅してしまいました。大変残念です。どうか会員増強の趣旨・目的をよくご理解いただき、伊藤会長の下、皆さんがロータリーの伝道師になって頂き、「クラブの魅力創りと活性化」を果たすべく、会員増強にご尽力頂きたくお願いいたします。

最後になりますが、横浜東RCの益々のご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げ、卓話を閉じたいと思います。ありがとうございました。


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