活動報告

第18回例会卓話「2020 東京五輪の前に」

2016年11月11日

「2020 東京五輪の前に」

立川道彦会員

本日は皆様方に余り肩の凝らない話題を提供致したいと思いますのでどうかお気軽にお聞き戴きたいと思います。南アメリカ大陸で史上初の開催となったリオデジャネイロ五輪、パラリンピックは熱戦の終止符を打ちました。そして五輪史上最多となる41個のメダル獲得は記憶にまだ新しく日本人アスリートの活躍を受けて世間の関心は既に2020年開催予定の第32回東京五輪、パラリンピックに向けられています。この2020東京五輪へ国を挙げてホスト国の責任を果たす事は大変深い意義があると考えるものでありますが、本日この場ではこの2020東京五輪は横に置きまして別の話題を提供したいと考えました。

皆様方の中に2020五輪開催の前年2019年に日本である大きな国際スポーツ大会が開催される事をご存じの方もいらっしゃるかと思います。本日はそのスポーツを中心に幾つかの話題を提供致したいと思います。そのスポーツとはもうお判りかと思いますが、昨年強豪南アフリカに我が日本が勝利したラグビーフットボールであり、開催される大会は2019ラグビーワールドカップであります。本日は折角の機会ですので3部構成で皆様に話題提供をして少しでもラグビーに対する距離感を縮めて戴ければ幸いと考えます。

初めにラグビーとはどんな競技か簡単にお話しをします、次にラグビーワールドカップの概要をご説明申し上げて最後にラグビーにまつわるエトセトラと称して幾つかトピックスを提供したいと思います。先ずラグビーとは非常に簡潔に言えば、双方のチーム各々15名のプレーヤーがフォワードとバックスに分かれてパスとキックを用いてボール動かして相手陣地内の地面にボールを着ける、グラウンディングする事で得点を競うものです。これをトライと云います。主な得点パターンはこのトライで5点、トライ後に権利が与えられるゴールキックで追加の2点、及び重たい反則に対して権利が与えられるペナルティーゴールで3点の3パターンです。又、主なルールとして3点のみお話します。ボールを前方にパスをしてはならない点(スローフォワード)、プレーヤーは持ったボールを前に落としてはならない点(ノックオン)、ボールの現在位置を起点にしてその位置から前方に留まってプレーしてはならない点(オフサイド)等がありそれぞれ反則が課せられます。この他にも色々なケースがありますが時間の関係から割愛致します。

このラグビーの発祥の国はゴルフ、サッカーと同様に英国でその起源は19世紀半ばに英国の有名なパブリックスクールのひとつであるラグビー校で行われていたサッカーのゲーム中にある少年が突然ボールを手に抱えて走り出した事だと云われています。その少年の名前ウィリアム・ウェブ・エリスの記念碑はラグビー校敷地内にルーツとして設置され小生も以前訪れた事があります。後でお話しするラグビーワールドカップの優勝トロフィーにはこの少年の名前が刻まれています。その後19世紀後半に日本で初めてラグビーが慶応大学に持ち込まれて以来今日子供から大人まで老いも若きも最近は女性ラガーも楕円球を追いかけています。次にラグビーワールドカップの概要について触れてみたいと思います。
先ず皆様にこのラグビーワールドカップが夏季五輪、FIFAワールドカップに続く4年に一度開催される世界3大スポーツ大会のひとつである点を認識して戴きたいと思います。

過去に8回の大会が開催されましたがこの度初めてアジア地域、日本で3年後の2019年に開催される事が決定しております。大会参加国20チームによる48試合の結果優勝国が決定しますが、通算で9回目となります2019ラグビーワールドカップ杯(ウィリアム・ウエブ・エリス杯)の決勝戦はここ横浜市の横浜国際総合競技場で行われる事になっております。開幕戦の火ぶたは東京調布の東京スタジアムで切られ、12の開催都市で44日間にわたって試合が行われる予定であります。開催都市のひとつには名手松尾雄治を有しかつて「北の鉄人」と称された社会人ラグビーの強豪新日鉄釜石の本拠地、東日本大震災の被災地釜石市があります。釜石市は震災復興として2019ラグビーワールドカップのために新たに競技場の建設を進めるとの事であります。ラグビーワールドカップが世界3大スポーツ大会のひとつとお話ししましたが、その所以は観客動員数にあると考えます。昨年の第8回英国大会の観客動員数は247万人との報告があり48試合の1試合平均観客数は5万1千人と算出されます。プロ野球と比較しても集客力は大きいでしょう。又夏季五輪と比較するとラグビーワールドカップの来訪者は欧州、オセアニアや北南米に集中する傾向にあり長期滞在と高い消費に支えられるインバウンド効果による経済波及効果が2330億円に及ぶとの試算もあります。日本は第1回大会以来毎回参加していますがその戦績は全く振るわず1勝2分21敗でしたが昨年の第8回英国大会では南アフリカ戦等で3勝を収める歴史的な快挙を成し遂げた事は世界のラグビー界を驚嘆させました。当初の計画では新国立競技場を2020東京五輪に先駆けて2019ラグビーワールドカップ会場として利用する事となっていたが、建設工事の遅延によって実現は不可能となりました。全国12の開催都市の競技場は一部に収容人数や設備で海外に比べるとやや見劣りがする面があるかも知れませんが、2019ラグビーワールドカップの海外来訪者に満足して貰える日本の食・宿・忘れ物が戻って来る安全を提供する事は2020東京五輪ホスト役を演ずる際の心得にもつながると確信する次第であります。ひとつ残念な事は3年後のこの開催を最も心待ちにしていた一人、我が国を代表するスーパープレーヤー且つ良き指導者であった伏見工業、同志社、神戸製鋼の平尾誠二氏が53歳の若さでつい最近急逝した訃報です。心より哀悼の意を表したいと思います。
最後にラグビーにまつわるエトセトラとして雑学をお耳に入れたいと思います。
ラグビー精神はone for all ,all for oneという言葉で表現される事があります。一人は全員の為に全員は一人の為にと訳されますが、15名の団体スポーツで勝つ為にはチームの纏まりと個人の技量を活かす意思統一の両方が必要とされます。この言葉は社会にも通ずるものがあります。一人で出来る事に限りがある、又個人の力が要る場面がある。家庭・友人・学校・会社にも当てはまります。
ラグビーと云うと荒々しいイメージがありますが、ここでこの曲をお聞き下さい。
「彼は目を閉じて枯れた芝生の匂いそっと吸った、長いリーグ戦締めくくるキックはゴールをそれた」とのイントロで始まるこの唄を日本を代表する女性のシンガーソングライターがラグビーをテーマに作った事をご存じですか。
ラグビーでは試合終了の事をノーサイドと云います。試合が終われば敵、味方もなく互いに健闘を称え合い、互いのジャージーを交換したりアフターファンクションとして両チーム合同で懇親パーティーを催したりします。1984年に高校ラグビーの決勝戦が高校ラグビーの聖地花園ラグビー場で奈良県天理高校と大分県大分舞鶴高校との間で行われました。ユーミンこと松任谷由実は試合終了直前まで点を取り合うこの激闘の決勝戦を偶然自宅のテレビで見てその試合終了を題材にして「ノーサイド」というタイトルで発表したのがこの曲です。ゲームを曲にしたユーミンの感性の豊かさがあらためて伺えます。

先ほど来お話ししている昨年の南アフリカ戦での日本の大勝利以来急激にラグビー人気が沸騰していますが、かつては70年代から80年代にかけて一大ブームを引き起こしていました。6万人強の収容人数を有した当時の国立競技場を満員にした実績がその頃の大学ラグビーや日本選手権の人気を物語っていると思います。アイドルグループの嵐他が満員にした事があるそうですがスポーツ競技でここまで集客する事は容易でなく、今では信じがたい話ですが昔の成人式の日1月15日の日本選手権では晴れ着姿の女性が多数国立競技場を埋めつくしていました。ラグビーはレフェリー絶対の競技であり、試合中にレフェリーに注文を付ける行為は抑制されています。実話かどうかは疑わしいですが、第二次世界大戦中にあるラガー戦士が戦場で息を引き取る寸前に自分が昔戦った試合でレフェリーにトライを認められなかった場面を想い起こして「あれは絶対トライだった」と言った伝説は有名な話です。

さて3年後のワールドカップのテーマを主体に話して参りましたが、ワールドカップは無論の事、一国民としてもちろん2020東京五輪の成功を願うものである事をお伝えしたいと思います。
ゲーム終了をノーサイドと云うとお伝えしましたが、ゲーム終了直後に両チームがエール交換を行う事は余り知られていないと思います。結びになりますがそのエール交換について披露しておしまいにしたいと思います。エールの意味するところは万歳三唱ですがエールは英語です。親指を立て3 Cheersと声に出して相手チーム名を呼びその後に万歳を意味するhipという言葉を3回繰り返します。“Three cheers for Yokohma East Rotary Club,hip/hip/hip.”ご清聴ありがとうございました。



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