活動報告

第19回例会卓話「ポリオプラスについて」

2016年11月18日

2590地区ポリオプラス委員会
 川崎RC 委員長 髙柳 馨様

ポリオプラスとは,ポリオを地球上から追放する目的のロータリー財団の事業です。プラスというのは,ポリオのほかハシカ,ジフテリア,結核,破傷風,百日咳の5つの主要伝染病をプラスして同時追放を目的としているという意味でしたが,ポリオだけの撲滅でも容易なことではなく,現在まで、他の伝染病の撲滅活動には手が付けられておりません。そこで,現在では,世界的なポリオ撲滅運動がもたらした遺産のことを指しているとされています。

 ポリオは,主に5歳未満の幼児が罹患し(90%以上),小児麻痺と呼ばれています。5~10人に一人の確率で終生麻痺が残り,麻痺障害を治療で治すことはほとんど不可能です。ポリオに対しては,ワクチンの効果が絶大で,広く経口生ポリオワクチン(OPV)の接種が行われてきましたが,希ながらワクチン関連麻痺が発生することがありますので,最近は,不活化ポリオワクチン(IPV-注射による接種)の接種が行われております。

 ポリオは,最近まで猛威をふるっておりました。1988年当時,125カ国で35万人以上の発症があったということが厚生労働省検疫所のホームページに紹介されております。日本では,1960年には北海道を中心に5606名の患者が発生する大流行となりましたが,予防接種が実施され,1980年にポリオ感染が根絶されました。

 国際ロータリー(RI)のポリオ撲滅運動は日本から起こりました。東京麹町ロータリークラブが1982年に創立15周年記念事業として,南インドに山田彝(つね),峰英二の2名の会員を派遣し,2名の会員が帰国後,ポリオ撲滅を2580地区,2750地区に提唱し,それが,RIの世界的運動に発展したのです。
 RIは1985年ロータリー創立80周年を期に,ポリオ・プラス計画を開始。1988年、世界保健機関などと共に,世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)に取り組んできました。RIは,1995年の規定審議会において,ポリオ撲滅がロータリーの第一目標であると決定しました。

 現在のポリオの状況ですが,ナイジェリアは,2014年7月以降症例ゼロを1年間維持し、2015年9月にポリオ常在国リストから除外され,アフリカ全土でポリオがなくなったとみられていましたが,2016年8月に2件の発症が報告され、現在まで4件の発症が確認されました。現在,ポリオ常在国はパキスタン(本年は10月19日までで15件)とアフガニスタン(同・8件)及びナイジェリアの3カ国となっております。

 ポリオの撲滅は容易ではありません。紛争や宗教上の理由でワクチン接種が非常に困難な地域もあります。パキスタンでポリオワクチンの接種を行っていたポリオワーカーが2015年9月末までの20ヶ月間に80人も殺されたという衝撃の報告もあります(「ロータリーの友」2016年10月号15頁)。しかし,ここで諦めてしまえば根絶はできず,根絶できなければ,更に毎年8億ドルの資金が必要となるとの試算もあります。あれほど猛威を振るった天然痘も1980年に根絶されました。ポリオ撲滅も不可能ではないと信じます。

 世界ポリオ撲滅推進活動は2019年末までに世界からのポリオの根絶を目指しており,そのためには新たに15億ドルの資金が必要とされておりますが,ロータリー財団は,予防接種の強化等のために資金援助を続けております。本年度も,会員お1人あたり,50米ドル以上の寄付をお願いいたします。



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