活動報告

第27回例会卓話「未来年表を睨んだ新しい“経営学”の学び方」

2017年01月27日

「未来年表を睨んだ新しい“経営学”の学び方」

(株)ビット89  吉田健司様
(元、淑徳大学経営学部・大学院 教授)




本日の卓話メニュー
1.経営に必要な3つの目と未来年表
2.“生き物”としての経営学の学び方
3.日本型経営塾「寺子屋カレッジ」の開校


◇自己紹介
私は1975年に大学を卒業し、エンジニアとして旭化成に入社しました。大学時代に経営科学(Operations Research)を専攻したことで、主に本社の経営企画スタッフとして予算編成・事業戦略策定・設備投資等の業務に従事したほか、米国イリノイ大学ビジネススクールに派遣留学し、MBAを取得いたしました。その後、独立しリサーチ・セミナー・コンサルティングの(株)ビット89を設立しました。さらに淑徳大学経営学部と大学院の教授として教鞭を執りましたが、一昨年3月、定年退職しました。昨年4月それまでの実務・教育経験を活かして、庶民のための経営塾「寺子屋カレッジ」を開校し、基幹講師を務めています。


1.経営に必要な3つの目と未来年表



 経営には3つの目が必要と言われています。まずは全体(マクロ)を俯瞰し、判断する「鳥の目」。次に現場(ミクロ)の実態を把握し、行動する「虫の目」。最後は将来を予測・展望し、決断する「魚の目」。これら3つの目のうち、先を見る「魚の目」を鍛えるには、お気に入りの新聞、雑誌、テレビ、Webサイトのような媒体のなかで、現状変化と将来動向を扱っている情報源を自分なりの「定点観測基地」として押さえておくことが肝要です。また「風が吹けば桶屋が儲かる」式の連想的将来推測法も有益です。将来予測の情報を掲載している雑誌・書籍等もありますが、野村総合研究所がWebサイトで毎年更新している「NRI未来年表」なども先を見る目の一助となります。(https://www.nri.com/jp/opinion/nenpyo/index.html)
これは今年の2017年から何と2100年までの起き得る出来事を「政治・社会」「経済・産業」「国際」「NRI予測」に分けて整理していますので、是非ご覧いただきたい資料です。これらの情報を参考にしながら、マクロ環境変化を掴む「PEST分析」(P:政治、E:経済、S:社会、T:技術)を、皆さんの業界や事業に影響を与えそうな要因キーワードを書き出してみることをお勧めします。この分析を行うことで、企業の平均寿命18年と言われるほど変化の激しい今日、“ゆでがえる組織”とならない有効な手立てとなります。

 2.“生き物”としての経営学の学び方



 「経営学は学問ではない」と主張される方もおられますが、自然科学のように不変の真理・法則を基盤とした学問ではなく、むしろ変化し続ける事業環境を前提とし、その土台の上に立ってあるべき姿や方策を探求していく学問ではないでしょうか。すなわち時代変化に対応しながら進化していく、“生き物”としての学問が経営学とも言えそうです。また昨今では、その対象領域が企業のみにとどまらず、学校、病院、行政、NPOなどにも適用可能な学問として受け入れられており、あらゆる組織と個人にとっても有益な「問題解決学」としても評価されています。この[経営学はヨーロッパで誕生し、米国のビジネススクール(MBAコース)などで発展してきており、現代の日本でも大学の経営学部等で、ヒト・モノ・カネ・情報・総合といった経営資源領域別の個別科目によって体系的に教えられています。
            
3.日本型経営塾「寺子屋カレッジ」の開校



 このように発展してきた経営学ですが、企業サイドの効率性・合理性を追求するあまり、企業不祥事事件が後を絶ちません。これまでの経営学はアタマ中心のもので、倫理観のようなメンタリティが欠けていたからではないでしょうか。私はここで、欧米発の「競争原理」の経営学に、日本初の「共創(共生)原理」の経営学をコラボレーションさせ、“アタマ”と“ココロ”のバランスの取れた「新しい経営学」を提唱し・啓蒙していく必要性を感じるようになりました。
 そして昨年(2017年)4月、「寺子屋カレッジ」という経営塾を、東京の渋谷と市ヶ谷に開校いたしました。この経営塾では毎月、2つの異なったタイプの講座が行われています。
ひとつは本日、最初にお話しました、事業環境変化を察知し、有効な手立てを打ち、その個別記事(情報)が経営学のどこに関係しているのかなどを知る「時事ネタ経営学」講座です。もうひとつは、経営学部等で教えている経営学の主要10科目のエッセンスについて、アタマ(スキル)だけでなく、ココロ(マインド)についても学べる「あんパン経営学」講座です。これら2コースの講座は、クルマの運転に例えると、天気予報やカーナビ情報としてこれから先のことを知るのが「時事ネタ経営学」で、運転テクニックと運転マナーを身につけることで、安全に乗り心地のよい運転能力を学べるのが「あんパン経営学」です。 (参照:ホームページは http://www.terakare.com/ )
※「あんパン経営学」の“あんパン”は、西洋(ポルトガル)から入ってきた“パン”に、明治初期、日本の“あん”を入れた“あんパン”によって日本にもパン文化が普及したことに由来したネーミングです。いわば、和魂洋才型経営学ともいえます。

 最後に、デジタル時代の現代だからこそ、ココロを軸とした、デジタル・アナログ融合型の経営が求められるのではないでしょうか。現在、東京の2教室で開講していますので、是非一度、体験受講してみてください。5人以上の受講希望者と場所がありましたら、横浜教室も開いてみたいです。ご協力よろしくお願いいたします。
 ご清聴、ありがとうございました。





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