活動報告

第9回例会卓話「現代の食文化がつくる生活習慣病と歯の病気」

2017年09月08日

鶴見大学歯学部探索歯学講座  教授花田信弘様

 歯科疾患と生活習慣病には共通するリスク因子が存在する。それは、現代の食文化である。ハーバード大学の人類学者ダニエル E リーバーマン教授は歯科疾患と生活習慣病は、農業の開始による食文化の変化をはじめとする文明の急激な発達に人体の進化が伴わないために生じた疾患(「食文化と人類進化のミスマッチ病」)だと考えている。
 現代人は、200万年前から紀元前1万年まで約200万年間続いた旧石器時代の狩猟採取に適応した身体を今日まで維持している。ところが、紀元前1万年から農業を開始し、現在は穀物(炭水化物)を主要なエネルギー源とする食生活に急速に変化した。この食文化の変化が、歯科疾患と生活習慣病を生み出し、現代医療はその対応に追われている。根本的な解決方法は、食文化を旧石器時代に戻すことだが、農業を中心とした産業界が社会システムの中で確立しているので現代の食文化を簡単に変えることはできない。
 そこで、鶴見大学歯学部附属病院「3DS除菌外来」では、食文化と人類進化のミスマッチへの先制医療(先制医療とは病気の発症前にそれを予測し、あらかじめ予防的な治療を行うことにより病気の発症を防止するという新しい概念の医療)を提供している。具体的には、個人トレーを用いた口腔の常在細菌叢の管理と栄養・運動の管理で全身の血管の健康度を維持する医療を提供している。「3DS除菌外来」に興味のある方は鶴見大学の小久保教授(横浜東ロータリークラブ会員)の紹介で来院していただきたい。

【略歴】
1953年福岡県生まれ
福岡県立九州歯科大学歯学部卒業、同大学院修了、米国ノースウェスタン大学医学部博士研究員、九州歯科大学講師、岩手医科大学助教授を経て
1993年厚生省国立感染症研究所口腔科学部長
2002年厚生労働省国立保健医療科学院口腔保健部長
2008年鶴見大学歯学部教授となり現在に至る
この間、健康日本21計画策定委員、内閣府消費者委員会委員、内閣府新健康フロンティア賢人会議専門委員を務める。

【一般向け著書】
「白米が健康寿命を縮める」
光文社新書、光文社2015年
「歯周病が寿命を縮め」法研2017年


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