活動報告

第17回例会卓話「今、日本人に求められる国際人としてのマナー」

2017年11月17日

「今、日本人に求められる国際人としてのマナー」
マナーズコンサルタント  吉門憲宏様

「自己紹介」
 1969年日本航空入社。国際線乗務のための客室乗務員スチュワードとして半年間の訓練。この当時1ドル=360円でした。国際線の旅客は殆どが外国人でした。彼らは、日本の文化にたいへん興味があり、質問も多いため国際線乗務員として日本文化再確認のため、「お茶・お華」の授業もありました。茶の湯を通して「おもてなしの心」一期一会の精神を学びました。お華は「筋がよい」と誉められました。止めずに続けたていたら金髪にしなくても屋崎省吾氏を超えていたと思っています。(笑い)乗務を始めてから「華」は止めましたが職場は「若いスチュワーデスの華」に溢れていました。
・初めてのフライトはホノルル経由ロサンジェルス。ホノルルの海と空の美しさに感動し寝るのが惜しくて夜、浜辺を散歩していると、沈んだ表情の米国人青年がいました。私は、その青年が気になり声をかけました。
話を聞いてみますと翌朝ベトナムの戦場に向かうとのこと。初めて日付変更線を越えて未知の世界に飛び出した同じ日に、戦場に向かう若者にかける言葉はありませんでした。やっとかけた言葉は「神様があなたのそばに居るように。」でした。翌朝、若者は沖縄行きの輸送機で西に。私はロサンジェルスを目指し東へ飛びました。
・サンタモニカのホテルに到着し、翌朝初めて会った米国人はリー・マービン氏でした。エレベーターで彼は気さくに「Hi! How are You?」と声をかけてきました。日本では絶対に無い現象です。米国で始めて経験したカルチャーショックでした。あれから50年、米国には200回以上行きました。政治、文化、色々とありますが個人として接した米国という国と米国人は寛大でした。
・この50年程の間に出会う事ができた人々を想う時、今も確信して言えることがあります。「どんなに成功し名を成しても、人と人との間に垣根・溝を作らない事にかけては米国人の持つフランクさとコミュニケーション力はアメリカという国の財産。」と言うことです。「コミュニケーション不足」彼らのコミュニケーション力は日本人には無いものであり、日本人は見習うべきです。一方、日本人の苦手な事は、はっきり言ってコミュニケーション能力不足です。原因は多々あります。日米の大学生の意識の違いを調査している社会学者の研究では、「他人とは?」と言う質問に日本人学生は「関係のない存在、知らない人。」と答えています。米国人学生は「愛と友情を育む可能性のある存在。」と答えています。日本人は他人の中ではすり抜ける。米国人は挨拶をするかアイコンタクトを忘れない。これだけでも日米の社会の違いは顕著です。
・私の職場は高度1万メートルの上空です。時速数千キロ、私は地球を450回以上回りました。
 月までの距離384,400㎞。定年退職までに23往復。機内で120万人と挨拶を交わしました。
・日本人は仲間意識が強く背景の文化が同じです。全てを語らなくても判ります。 善良で、正直で、気配りが出来、順応性が高い民族と思っています。しかし、異文化の外国では日本流が通用しません。「暗黙の了解」はありえません。「察してほしい」という言葉も、聞く側の理解に依存する日本人特有の甘えの一つです。外国では「以心伝心」、「阿吽の呼吸」も皆無です。
「1を聞けば10を悟る。」も無い外国では恥かしがり屋の日本人、本質が判ってもらえない。彼らには日本人はどのように映っているのでしょう。「金持ちだが、良く判らない民族。」と映っているのです。
「マナーは第二の言語」。
・「知ってる人とだけ、親しい人だけ」や「国内でしか通用しないマナー」ではなく 何時でも、何処でも、どんな人に会っても、どこの国でも通用するマナーがあります。 それは「本物の品位、品格」が身についていれば、それ以上のマナーはありません。つまり、「品位、品格は世界に通用するマナー」です。
 本物の品位、品格が身についていたら、日本人の他人へのコミュニケーションの仕方はもっと違うものになります。日本人へ差別意識があった時代に世界を飛び始めた頃、私はマナーの大切さが身に沁みました。
 「マナーは第二の言語。」だと思って外国を歩いてきました。今では「マナーと言語は同格、時にはそれ以上。」良いマナーは瞬時に安心感を与えられる強力なコミュニケーションだと捉えています。


「握手」
・背筋をピシっと伸ばす。顔を見て、目を見て、お会いできて嬉しい事を伝えます。
 握手、スマイル!まず目を見なければ交流は始まりません。握手しながらのお辞儀はいりません。
(日本人の99パーセントがお辞儀をしてしまいます。)自分のハゲ頭を相手の顔の下に投げ出す姿勢になってしまいます。握手とともに何度もするお辞儀は、初めて日本人と会う外国人には「何をしているのか?」
 戸惑います。また一列になってするお辞儀はセレモニーか?と聞かれたことがあります。そう言えなくもない、悲しい文化になっています。
・手を出して「ちょこちょこするお辞儀」は「弱い」「幼い」という印象です。たいした大人ではない。まだまだの人と思われますので握手は堂々と確りとしましょう。最低2秒は力強く握りましょう。握手に成功すれば第一印象はグッとアップします。ビジネスは「握手に始まり、握手で終わる。」と言われます。
・握手は西洋の習慣です。その背景の文化も一緒に取り入れましよう。その文化の根底には「人と人は対等である。」という意識です。その意識があれば握手にスマートさが増します。へりくだる必要はありません。
・女性への長すぎる握手、強すぎる握手は時としてセクシュアルハラスメントになります。プライベートで女性との握手は女性からが先になります。
ポンプみたいな握手、井戸水をくみ上げているのではありません。
マイケル・サンデル教授(ハーバード大学)がNHKでの公演終了後に前列に座っていたゲストの傍らに来て握手をしました。 都知事、プロ野球選手、作家、女優は座ったままでの握手でした。唯一立ち上がって握手をしたのは、NHKで英会話を担当する女性タレントただ一人でした。内心、サンデル教授もビックリした事と思われます。
「飛行機への搭乗と降機」
 ・搭乗時、乗務員は一人一人に挨拶をします。黙って乗って来て、黙って降りて行く日本人12時間同じ空間に居て会話を交わした人間が、挨拶しても黙って降りて行く。
  挨拶は「他人に対して敵意がない」「心が開いている」事を示すこと。飛行機の座席に座る時も隣席の人を無視する日本人。着席の時、黙って座ってしまいます。米国や西欧までの13時間余り、隣席の人を無視するのはかなりキツイ事です。
 「こんにちは」の最初の一言が旅を楽にします。挨拶は先手必勝です。「エレベーター・エスカレーター」
 ・アルゼンチンから来た社長の一言。「どうして日本のビジネスマンはプロトコールが出来ないのでしょうか?会社役員たちがどうしてマナーの基本が身についていないのか?エレベーターの乗り降りのマナーもわからなくて給料が貰えるのかね。」厳しい指摘。エレベーターは乗り降りともに女性が先です。ボタンも男性の役目です。エスカレーターでは乗り降りとも女性が上になります。女性はヒールを履きますのでエスカレーターは動く階段ですから安定がわるく危ない。駅の階段の登り降りも同じです。エスカレーターに乗る時は前に女性、一段開けて乗ります。余裕がある時は二段開けます。これは、スリの被害に遭わないための防衛策になります。
「機内でよくある質問」
 ・ED出入カードのSEX欄、「M? or F?」 「Twice a Week? 」「 Once a month?」回数を記入する日本人がいます。 回数ではありません。外国でも個人情報を公開する必要はありせん。私はかなり前から「others」という3つ目の枠が必要と提案しています。
性的マイノリティへの差別を無くすためです。
ちなみに、 EU27か国では入国カードは不要です。
モンゴルのカードにはothersがあります。
本日は三十分という持ち時間での話になり、断片的な話になりました。また、このような貴重な時間を共有できましたこと心から感謝しております。最後に横浜東ロータリークラブの益々のご発展と皆様のご健勝を祈念しまして話の結びとさせて頂きます。


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