活動報告

第25回例会卓話「企業の常識・弁護士の非常識」

2018年01月26日

「企業の常識・弁護士の非常識」
大山滋郎会員


私は現在の弁護士の生活のほかに、会社員として15年過ごしました。また、アメリカのロースクールに留学し、現地の会社でもしばらく働いています。そんな中で、それぞれの立場、場所で、それぞれ違った常識があるのだなと感じました。法律の常識は、一般の方たちから見ると、常識はずれに見えるようです。その辺のことについて、少しお話しできればと思います。
 以前、法律の定める「結婚」の要件が、非常に分かりにくいという、一般の人の話を聞いたことがあります。男女が「出来た」ら、結婚で良いじゃないかなんて言う意見でした。ただ、結婚での一番のポイントと言いましょうか、法的効果は、一方配偶者が亡くなったときに、他方に相続が発生することです。それだけに、要件は厳密に定める必要があるわけです。つまり、一般人が「少し変だな」と思う法律の規定にも、それなりの意味があることもあるわけです。
ただ、法律の規定の中には、一続きみていくと一見もっともですが、他の事例と対比するとおかしく思えることもあります。例えば、ボケた親族が幹線道路に飛び出して、車に轢かれるとします。この時に残された家族は何千万円かの賠償金を貰えるわけです。危険な車から国民をできる限り保護しようという法律の考えがあるわけです。その一方、ボケた親族が鉄道の線路に飛び出して轢かれるとします。この場合遺族は、電車を止めたことを理由に、鉄道会社から莫大な損害賠償を請求されます。国民の重要な、公共交通機関を守るための措置ですね。
この2つを比較すると、やはりおかしな気がします。私など、ボケて徘徊癖のある親がいる家族には、「鉄道のそばから早く離れて、幹線道路のそばに引越してください」とアドバイスしたくなるのです。この辺の、法律の「常識」を、一般人が本当に良いと考えているのか、是非知りたいものです。
その他、アメリカの法律の常識と日本の法律の常識でも違いがあります。
様々な「常識」を見ていくことで、「弁護士の常識」に凝り固まることの無いようにしたいものです。


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