活動報告

第26回例会卓話「貴方の中の仏に!」

2019年01月25日

「貴方の中の仏に!」
     宗教法人観行院住職 濱名徳峰様

涅槃経の中に「草木国土悉皆成佛(全てのものが悉く佛様になれる)」という有名な一偈があります。
私がまだ生意気盛りの学生であった頃、この一偈にぶつかりました。いかに自惚の強い私であっても、自ら顧みて、この自分が仏様になれるなどとは到底考えなかったからです。この一偈が解けないままに打ち過ぎたある日、庭の片隅に咲いた白粉花を見て、やっと気付かされました。
 私は東京下町の小さな寺で育ちました。庫裡兼用のお堂の周りに、七十坪程の空き地がありました。そこは江戸時代の初め頃までは海岸線であったらしく、土地は痩せ、植物は可哀そうにやっと生きているように見えました。そこに、誰が植えたのか数株の白粉花がありました。しかし、土壌が悪いので丈は伸びず、当然のこととして花も貧弱です。その花を見ていて、「ハッ」としました。草木は足を持たない。従ってその場所が自分に適さないと分かっても、自分の意志では一歩も外に出ることは出来ないのです。もし私がこの花だったら、「もう止めた、こんな処ではどうにもならない。」とサボタージュするに違いないと何気なしに思った次の瞬間、やや、この思いだけを把えてみれば、私は白粉花のいとなみに遠く及ばないと気付かされたのです。そして涅槃経の一偈は、この一事を教えていたのかと、改めて深い感銘を受けました。
 あれからもう五十年以上になりますが、石垣の間から健気に咲くすみれなどをみると、今もあの時の感動を昨日の事のように思い出します。
 生ある限り、草木国土の佛性をおがむ、私の巡礼は続く事でしょう。

「本当に生きているとは、
本当に死ぬということは」

1.春の陽ざしをいっぱいにうけて
  葉っぱの坊やが目を覚ましました
  皆さんこんにちは
  僕 葉っぱの葉ちゃんです
2.夏の輝く太陽にだかれて
  葉っぱの葉ちゃんは
  立派な大人になりました
  楽しいな、うれしいな
  みんなと一緒に舞踏会です
3.秋の風が吹いて来ました
  踊り疲れて枯れた子が
  一枚、一枚、落ちて行きます
  こわいよ、助けてよ
  一人ぼっちにしないでよ
4.冬の寒さがやってきました
  兄さんの葉が言いました
  さあ行こうか怖くはないよ
  大地の中は暖かくて
  父さん母さんみんなして
  僕らの来るのを待ってるよ

詩は、心より心に伝わる心の便りですね。人々の一生の「生老病死」は万物の一年の「春夏秋冬」の姿ではないでしょうか。冬来たりなば春遠からじで、大地は万物をよみがえらせる不死の生命です。枝を南にぐっと張って伸びている大木、そして根を北にぐっと張ってその大木を支えている地中の根っこ。そうですね、この大木を生かしているのは土の中で大きく根を張ってじっと見守り、生命の元を送り続けている物言わぬ地中の大木なのです。大地は万物をよみがえらせるその根っこ。その根っこはそれはご先祖様なのですね。


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