活動報告

第6回例会卓話「年金2000万円不足問題について」

2019年08月09日

「年金2000万円不足問題について」
大内政彦会員


「年金2,000万円不足問題」について
2019年5月に国会で話題になった、金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)にあった下記文書が話題となりました。

夫 65 歳以上、妻60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300 万円~2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

これは日本少子化と日本人が運用をしてこなかったことが原因と言える。
わが国の人口動態の特徴として、長寿化に加えて、少子高齢化が挙げられる。人口ピラミッドで見ると、かつては「富士山型」であったものが、現在は「つぼ型」であり、今後も「つぼ型」の形状は変わらず、高齢者が若年者に比べて突出して多いという姿になることが見込まれている。


方向書には次のような文書もあった。

米国では75 歳以上の高齢世帯の金融資産はここ20 年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっている。米国では、市況が好調だったことに加え、401(k)プラン等の制度的な後押しもあり、現役期から資産形成を実行し且つ継続するとともに、そのような世代が歳を重ねるに従い、高齢世帯の資産が増加していったと推察される。この点、わが国でも後述するつみたてNISA やiDeCo 等が整備され、個人が長期の資産形成を行うに際して、制度的な環境が整いつつある。

こうしたことから、確定拠出年金を導入する企業が増えています。2019年3月時点で確定拠出年金企業型の加入数は689.2万人なり、個人型は121万となり、特に個人型の加入者が急増しています。
その背景には、下記のような税制優遇制度があると言われています。
拠出時:給与として扱われないため税金がかからない
運用時:運用益に対する税金は運用期間中はかからない
受給時:控除が適応され税金負担が軽くなる

確定拠出年金企業型では掛金が給与から差し引かれ、課税金額も下がるため、税金に加え社会保険料を算出する上で標準報酬月額の等級が下がった場合は社会保険料も下がる効果があります。
また、確定拠出年金は転職をした場合は、次の会社の確定拠出年金に持ち運ぶことになるため、優秀な人材を中途採用する場合、確定拠出年金を持ってくることが多いので、自社に確定拠出年金の制度がないと、そのことでいい人材が確保できないひとつの要因になることもあると思われます。

メリットが多い確定拠出年金ですが、デメリットとして60歳まで解約することも拠出を止めることも出来ないことも理解しておく必要があります。
また、確定拠出年金は制度を導入する時点で60歳に達している人は加入することが出来ません。
今後は年金2,000万円不足問題を機に、多くの方が資産形成に興味を持つことになったことは、国民の老後資産を準備する意識に対して大きな影響を及ぼしたとも言えます。


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