活動報告

第30回例会卓話「こんにちは国際交流の会20年の歩み」

2015年02月13日

「こんにちは国際交流の会20年の歩み」
           会長 杉浦節子様

★はじめに
皆様こんにちは。私は特定非営利活動法人こんにちは・国際交流の会の会長を務めております杉浦と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は横浜東ロータリークラブ様の例会へお招きをいただきまして、誠に有難うございます。このような場で私共の会をご紹介出来ますこと、大変光栄に存じております。
1 私たちの会は、外国籍の方に「日本に来てよかったな。鶴見に住んでよかったな」と思ってほしいと、心から願うボランティアの集まりです。
2 皆様もご存じのとおり、鶴見区は、京浜工業地帯の一角をなし、工場などで働く人々の住むまちとして発展してまいりました。
横浜市の外国人住民数を見ますと、中区が1位ですが、鶴見区は中区に次いで2位です。国籍別に見てみますと、鶴見区は南米諸国の割合が高くなっていることが特徴です。また、外国につながる児童の数は18区中鶴見区が1番多いです。
3 この表は1989年(平成元年)から2013年(平成25年)3月31日までの鶴見区の外国人住民数の推移です。
1990年(平成2年)には、入管法の改正により、日本で仕事を得やすくなった日系外国人が多く来日し、ブラジル人が急増しました。
2000年(平成12年)以降は中国人が急増し、2006年(平成18年)には鶴見区の外国人登録者の中で最も多くなっています。
2008年(平成20年)のリーマンショック後、外国人労働者が減少しました。
2009年(平成21年)政府による日系ブラジル人帰国支援事業のため、ブラジルに帰国した学習者も多くいました。以後、南米出身者が減少しています。
4 1991年(平成3年)バブルが崩壊すると、外国人労働者は短期間で稼いで帰国するということが難しくなりました。そのため地域社会での「言葉の壁」が問題となったのです。そこで鶴見区では、外国人区民が働きながら通えるボランティアによる夜間の日本語教室を開設しました。
その日本語ボランティアが中心となって、1992年、国際交流・国際理解を目的とした生涯学級「ようこそ」を開設致しました。
そして1994 年、この「日本語教室」と生涯学級「ようこそ」が合併して、現在の前身である任意団体「こんにちは」(国際交流の会)が誕生いたしました。
5 私たちのグループは日本語教育・国際交流・国際理解を3本柱として、活動しています。現在、会員約80名、そのうち日本語ボランティア約30名、学習者が1学期約80名という大きな会になりました。先学期は98名の学習者が日本語の勉強をしました。
6 活動のメーンは何と言っても「日本語教育」です。
日本語教室は、最初3クラスでスタートし、2年目からは4クラスになりました。このころの学習者は、臨海部に住んでいる南米出身者が中心でした。
7 テキストは、開設当初ボランティアが学習者のニーズ調査をして、手作りしました。110番、119番などの緊急電話・横浜市のゴミの分別・地震など実際の生活場面の会話を取り上げたもので、内容は時代と共にリニューアルしてきました。授業で使う資料などもほとんどボランティアの手作りです。
8 2000年に、ホームページを開設しました。「インターネットで日本語教室を探したが見つからなかった。ホームページを作ったらどうですか。」と、学習者のご主人様からご提案があり、ドメイン取得から開設までご支援をいただきました。
9 初期には鶴見区から会場費の補助がありましたが、それが打ち切られ、日本語教室会場費の負担が増加し、2003年には財政的に大きな不安を抱えていました。そこで、会場を費用の安い場所へ移動しました。具体的には鶴見会館から鶴見公会堂へ、潮田地区センターから福祉保健活動拠点へ移りました。
10 創立10周年記念パーティーも、一品持ち寄りパーティーの形で、学習者と一緒にお祝いしました。
11 そんなときに、中国人研修生の日本語教育の依頼がありました。これがNPO法人格を取得するきっかけとなったのです。
12 2004年、特定非営利活動法人格を取得し、現在の「特定非営利活動法人こんにちは・国際交流の会」となりました。2005年、文化庁の外郭団体JITCOから日本語教育機関として登録されました。同年、よこはま夢ファンドの登録団体となりました。
13 2005年から中国人研修生の日本語教育の依頼が増えました。しかし、中国人研修生の日本語教育は短期間の研修のみで、日本人との交流の場がほとんどありませんでした。
14 私たちは少しでも楽しい思い出を作ってほしいと、日本語の勉強だけでなく、カリキュラムに工場見学を入れ、キリンビールや森永工場へ行きました。パーティーなどのイベントにも誘いました。
15 2008年、創立15周年記念パーティーを実施しました。
この年はうれしいことが重なりました。
16 横浜東ロータリークラブの会長でいらした田中淳一様から、国際交流に関するボランティア活動に対して、お褒めの言葉とともに寄付金を頂戴しました。それ以降、毎年ご支援をいただいております。本当にありがとうございます。
その後数回にわたり横浜東ロータリークラブ様の例会にお招きいただき、当会の活動をご紹介いたしました。また昨年は国際ロータリークラブ第2590地区協議会でも活動紹介の機会をいただきました。
17 同年の11月には、横浜市社会福祉協議会より、「こんにちは」が感謝状を頂戴いたしました。
18 2008年(平成20年)リーマンショックの前後、再就職のために日本語の読み書きを勉強したいという学習者が増えてきました。そこで、2009年(平成21年) 1月から土曜クラスを開設し、初中級クラスを増設しました。
先程も申し上げましたが、2009年4月、日本政府による日系ブラジル人帰国支援事業が始まりブラジルに帰国した学習者も多くいました。
19 そのため日本語教室は南米出身者が減少。中国・フィリピン・インドなどアジア出身者が増加。この傾向は現在も続いています。
20 2008年6月に発せられた「鶴見区多文化共生のまちづくり宣言」をご存じでしょうか。
鶴見のまちは世界のまちです。
区民の30人にひとりは外国籍の方で、80か国を超える国の方々が鶴見で暮らし、働いています。
鶴見には、人々が支え合い、互いの文化を理解・尊重しながら、国籍を越えて交流・活動し、鶴見ならではの新たな文化を育ててきた歴史があります。
これは鶴見の誇りです。
鶴見区は、このまちに住む全ての人々の人権を守り、暮らしやすいまちづくりをめざします。
未来の鶴見が世界に誇れる「多文化共生のまち」となるための取組を区民、事業者、団体のみなさまとともに進めることを宣言いたします。
これは鶴見区役所が区長名で発信したもので現在も続いております。
21 2010年(平成22年)、待望の鶴見国際交流ラウンジが開館しました。
22 オープンデーには新・旧学習者がスピーチをしてくれました。
23 2011年(平成23年)1月から、金曜初中級クラスが鶴見国際交流ラウンジへ移り、クラス数は計8クラスになりました。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災直後、多くの外国人労働者が国へ帰り、学習者が激減しました。
その後徐々に回復し、最近は、短期研修で来日するIT関係のエンジニア―が増えております。
日本語教育のニーズは、生活の日本語、仕事の日本語など、ますます多様化してきました。また日本語検定試験を受けるためのプライベートレッスンの申し込みも多数いただいております。
24 2011年には、済生会横浜市東部病院よりインドネシア人看護師候補生の日本語研修も依頼されました。
25 初中級の会話クラスは、直接法によるクラスレッスンで、場面設定を大切に、みんなで楽しく学習しています。授業担当者がクラスレッスンで75分授業した後、学習者を少人数に分け、ボランティア全員が30分の個別指導を担当して、学習内容を復習・確認しています。
26 読解クラスでは、テキストの音読、読解、文法、漢字などを学習しています。
27 私たちは日本語ボランティアとして活動を始めますと、日本語で日本語を教える難しさに直面して、勉強の必要性を感じます。昨年はアクラス日本語研究所の嶋田和子先生をお呼びしてボランティアの勉強会をしました。
28 横浜には数多くの日本語ボランティア教室がありますので、時々情報交換を行っています。昨年は私たちがポスター発表をしました。
29 2本目の柱「国際交流事業」としては、創立当時から、外国人とともに鶴見区が主催する国際交流イベントに積極的に協力してまいりました。
30 会独自の事業も、毎年盛りだくさんの行事を行ってまいりました。
31 1996年(平成8年)から、鶴見区役所と協力して、日本語ボランティア養成講座や国際交流イベントなど、国際交流事業の推進に協力しました。
32 このお祭りには、外国人も日本人も本当に多くの人が集まり、国際交流の場となりました。
日本の着物を着る体験は、学習者の楽しみにしている行事の一つです。
国際交流まつりでは、イベントの一つとして実施しましたが、残念なことに現在この会場-鶴見会館は取り壊されてしまいました。
33 ラウンジが開館してからは、会場をラウンジに移し、地域の着付けボランティアの皆さんの協力を得て、毎年開催しています。ガールスカウトの皆さんが「折り紙コーナー」で交流しています。今年は3月1日に実施致します。
34 「一品持ち寄りパーティー」は、色とりどりのお国自慢の料理が並び、どれも珍しくて、とても美味しいです。
35 茶道体験は、2005年(平成17年)から横浜市立東高校茶道部のご協力で、毎年馬場花木園で開催しています。もう10年続いております。
36 素敵な庭園の中でのお茶席に人気があります。お点前を披露する茶道部の高校生のボランティアの輪が、南高校や新羽高校の茶道部にも広がっています。
37 設立当初、地域の企業のご協力で「バス見学会」を開催しました。しかし、不況の影響で、企業のご協力も2003年が最後となりました。
38 2006年から、私共の会を指名してのご寄附により、「よこはま夢ファンド」の助成金で「バス研修旅行」が再開できました。
 2006年 小田原・箱根、
 2007年 富士山・富士国際花園、
39 2008年 昇仙峡・ぶどう狩り、
2009年 箱根・忍野八海・沼津、
40 2010年 小田原城・足湯・地球博物館、
2011年 鎌倉・新江ノ島水族館、
41 2012年 河口湖畔・富士花鳥園、
2013年 氷穴・田貫湖・富士山本宮浅間大社、
42 2014年は海ほたる・房総のむら・成田山新勝寺に行きました。
43 「外国人のための防災教室inこんにちはパーティー」は鶴見区の補助金で実施しております。外国人が参加しやすいようパーティーの中で、「やさしい日本語」で、鶴見消防署のご指導の下、防災や救急について勉強しています。2011年(平成23年)から実施しています。
44 「国際理解講座」は私たち日本人が学習者の国を理解するためのものです。初期は講師をお呼びして色々な国際理解をテーマに講座を開催しました。会員による貴重な体験の講座もありました。
45 46 最近は学習者による自国紹介の講座となりました。私たちは日本文化を紹介するだけでなく、学習者の国を理解することにも努めております。
フィリピン、ネパール、トルクメニスタン、バングラデシュ、
47 2014年はポーランドを紹介してもらいました。この講座は「鶴見区社会福祉協議会共催事業」として、区民の皆様にも参加していただいています。
学習者にとっては日本語の勉強にもなり、日本語による自国紹介の良い発表の場となっています。
48 おかげさまで、2014年(平成26年)4月、20周年を迎えることができました。区役所・区社協をはじめ横浜東ロータリークラブ様にもご出席いただきご祝辞をいただきました。
49 9月には、鶴見区社会福祉協議会のボランティア・市民活動分科会で、「鶴見区の外国人を取り巻く環境」と題してお話しする機会をいただき、11月には神奈川県社会福祉協議会より表彰状を頂戴いたしました。
50 ★おわりに
私たちはこれまで20年以上日本語教室を続けてまいりましたが、学習者も時代とともに随分変化して参りました。しかし今でも「日本へ来てよかったな・鶴見に住んでよかったな」と思ってほしいと願う私たちのモットーは変わっておりません。
鶴見区のまちづくり宣言に「鶴見のまちは 世界のまち」とありますように、鶴見がこれからも多くの外国籍の方が住みやすい「多文化共生のまち」となりますよう願ってやみません。
御清聴ありがとうございました。

リンク:こんにちは国際交流の会

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