活動報告

第37回例会卓話「相続のお話」 ~相続リレーそのⅠ~

2015年04月10日

「相続のお話」
~相続リレーそのⅠ~
安友千治会員

(1)遺言の種類
遺言書は普通の書類と比べて法律で厳格な要件があります!
・自筆証書遺言(§986) 
①遺言者が自ら、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。したがってパソコン等では無効になります。
②自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力がないです。ですから実際には訂正しないで書き直しましょう。
・公正証書遺言(§969)

(2)自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリット
1.自筆証書遺言 
メリット
・簡単にいつでも作成できる
・費用がかからない
デメリット
・方式違背で無効の危険性
・遺言書そのものが発見されないもしくは紛失の危険性。
・遺言書の内容を改ざんされる危険性がある。
・面倒な検認が必要である
公正証書遺言
メリット
・方式違背の危険性が低い
・原本が公証役場に保管される
・検認が不要である
・遺言書の内容が改ざんされる恐れが低い
デメリット
・費用がかかる
・公証役場が開いている時間に出向く必要がある(公証人による出張も可能)
・証人2人が必要である(必要であれば公証人が用意してくれる)

(3)特に遺言が必要と思われる例を挙げてみました。
・事実婚の方(その他特殊な関係の方)
・法定された相続分以上を特別な人に相続させたい
・夫婦の間に子がなく、配偶者のみに相続させたい
・個人事業の経営、農業等、財産以外にも事業承継の必要がある
・お互いに子がいる者同士が婚姻した
・相続人以外の者に財産を残したい(同居している嫁、内縁の妻、孫、知人・友人、各種団体への寄付等)
・認知したい子がいる(生前には認知したくない)
・推定相続人中に未成年の子や海外在住者あるいは行方不明者がいる

(4)何を遺言に書いたらいいのか
・財産に関すること
・法事など祭祀に関すること
・遺言がうまく執行されるように遺言執行者に関すること
・身分に関すること
・その他自分の思いなど

(5)遺言を書くときのポイント
(ア)財産について
・あらゆるパターンを考えて書きましょう(特に遺留分については注意です!)
問題のある記載例
例1:全財産を妻に相続させる。
*妻が遺言者よりも先に亡くなっていた場合は、遺言がないのと同じことになります。
例2:不動産は長男Aに、現金・預貯金は長女Bにそれぞれ相続させる。
*遺言の効力発生時に、現金・預貯金がほとんどなかった場合はどうしますか?
(イ)付言 自由に自分の気持ちを表現しましょう。この付言の出来により残された遺族のもめごとが相当解消されます!
・不平等な割合(法定相続分以外の割合)で各相続人に相続させたいときはその理由など。
・相続人の遺留分を侵害するような内容の場合、何故このような内容にしたのかという理由と、遺留分減殺請求をしないでほしい旨など。
(ウ)遺言執行者
遺言執行者とは、遺言の内容を実現させる手続きを行う人のことを言います。相続人の代理人となって相続財産を管理し、預金の解約や不動産の名義変更などの様々な手続きを行います。
(エ)その他
・葬儀についての希望
・祭祀の承継について
・認知・相続人の廃除・未成年後見人の指定など身分に関すること


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