活動報告

第42回例会卓話「企業価値(ネットバリュー)を高める「事業承継」と「M&A」」

2015年05月22日

「企業価値(ネットバリュー)を高める「事業承継」と「M&A」」
ネットバリュー(株)代表取締役  保科充弘様

序.自己紹介
こんにちは。東京麹町ロータリークラブに所属しておりますM&Aアドバイザーの保科です。私は、学校を卒業後、三菱銀行に入り、京橋支店、本店の営業二部、M&Aを行う情報開発部で働きました。
銀行では、三つのことを学びました。1つ目が、お取引を担当させていただいた本田宗一郎さんの「起業家魂」、2つ目が、金額の多寡に関係なく「お客様の財産に関わる仕事の重要性」、3つ目が、三菱グループの創始者、岩崎弥太郎さんの末裔の方の「ギブ・ギブ・ギブ、お客様に役立つ情報を提供する」という「ギブ・ギブ・ギブの精神」です。かなり変わった銀行員としての経験をさせていただきました。
そして、15年勤めた銀行を中退し、証券会社の出身者とベンチャーキャピタル出身者と一緒に、オーナー企業の事業承継専門のM&Aアドバイザリー会社「ネットバリュー」を創業し、早いもので16年経ちました。
 業界大手M&A仲介会社は、売手と買手の両方から手数料をいただく所が多いと思います。我々は、利益相反しない「片側アドバイス」に徹します。また、数名の小さな所帯でやっていますが、全員がM&A経験15年以上です。ご縁をいただいた経営者の役に立ち、ネットのコーポレートバリュー(会社の価値)を上げるために創業した会社、それがネットバリューという会社です。ご縁が深い業種は、まず1番目にITやテクノロジー業界、2番目が食べ物を含むヘルスケア業界(介護、薬局他)、3番目が不動産関連のサービス業、そのような特徴を持っています。

1.企業価値・事業価値(ネットバリュー)について
 企業の価値、ネットバリューについて少し説明します。同じ会社であっても見方を変えれば価値や評価は違ってきます。一般的にはインカムアプローチ、コストアプローチ、マーケットアプローチということで、いわゆる、「いくら儲かるか?」、「いくらコストをかけて築き上げるビジネスか?」、「上場している同業他社の株価と比べてどうか?」という見方で会社の価値は評価されます。

2.「事業の寿命」と「経営者の出口」
ビジネスの寿命は一般的に30年と言われています。30年経つとお客さん、経営者、従業員が変わります。ただ、最近は市場の変化が激しく、30年も持たないケースが増えています。
 「ビジネスの寿命?無くなることなんてあるの?」と思うかもしれませんが、例えば「カメラのフィルム市場」は急速に縮小し、イーストマン・コダックという世界的な会社が2012年に破綻しました。
一方で、日本の富士フィルムは、設備投資、研究開発、M&Aを積極的に行い、本業が消滅した中で生き残り、さらに発展しています。いかにM&Aが経営に役立つのかを示している1つの例だと思います。

3.事業承継について
 次に、ビジネスの世界で、社長様としての出口、卒業の仕方の中で、特に重要な「事業承継」と「M&A」について考えてみます。
 事業承継に関して、「顧客承継の仕組みづくり」が大切です(お渡しした新聞記事をご参照ください)。これがビジネスの承継においてとても大切です。既存のお客様だけでなく新しいお客様を獲得する仕組み、これをどうやって伝えるのかが大事です。
 事業承継、世の中には、うまくいかない事例もあります。経営者自身の問題や後継者の問題。そして、先ほど説明させていただいた「事業の寿命」の問題。
 創業オーナーで有名な経営者が院政をひいて、破綻していくパターンが少なくありません。また、2代目3代目経営者の破綻の原因は、能力と事業意欲の問題、不祥事や私物化、親族間の内紛などです。
 同族内で事業承継を円滑にするため、経営者と後継者で共通認識を持つ必要があります。一つは、「事業(ビジネス)には寿命がある」という認識。もう一つは、「お客さん創造の仕組みの承継」の大切さです。そして、これらを認識し対策をうっていくことが大事です。
例えば、先代が築き上げた「事業の仕組み化」です。個人のノウハウではなくて、「仕組み」として承継していく。さらに、「M&Aを活用」して「事業の入れ替え」などを行うことが役に立ちます。

4.事業承継による「第二創業」
具体例としては、ファーストリテイリング(=ユニクロ)の柳井さんも、年収1億円の紳士服の会社をお父さんから引き継いで、『一勝九敗』という本でもあるように、多くの失敗から学び、1兆3,000億円、世界のユニクロを築き上げました。失敗から学んで行く、これが「第二創業」には必要ではないでしょうか。

5.事業承継後の「事業の入替え(選択と集中)」
 また、キッコーマンという会社がありますが、以前、私は独立してから、キッコーマンさんのフィットネスクラブを売却する仕事を手伝わせていただきました。フィットネスクラブ、焼酎、コカコーラ事業を売却する一方で、豆乳や健康食品などを買収して、事業の入替えを行いました。今では7割を海外で稼ぎます。このように事業の入れ替えを行い、創業家内で事業承継した後に、第二創業で成功しています。

6.売却
しかし、事業承継してくれる後継者がいなければ、社長の出口としては、M&Aによる売却を考えねばなりません。この写真の事例は、社長さんは50歳代と若いですが、お体の関係もあり、100%第三者に譲渡されました。従業員は全員継続雇用され、お客様への商品・サービス提供という社会的な責任も果たすことができました。
我々は、「事業承継」や「事業の入替え」「新規事業買収」において、利益相反しない「片側アドバイス」に徹して、ご縁をいただいた経営者の役に立つように力を尽くしております。
皆様のお仕事が発展される事を願っています。今回は皆さまの前でお話をさせていただく機会をいただき、ありがとうございました。 以上です。

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