活動報告

第40回例会卓話「相続に関するあれこれ・相続リレー-Ⅱ」

2015年05月08日

「相続に関するあれこれ・相続リレー-Ⅱ」
大山滋郎会員

一休さんの遺言というのがあります。あの有名な、とんちの一休さんですね。 
87歳で大往生したときに、「どうしても困ったときにこの3巻の巻物開けて見なさい。それまでは絶対に開けてはダメだよ」といったということです。
その後お寺で、どうにもならないことが起きたので、この巻物を開けたんです。すると、それぞれの巻物に、「心配するな」「大丈夫」「何とかなる」と書いてあったということです。
これはとても良い話ですね。世の中のことは、最終的には「何とかなる」のです。死ぬほど心配することはありません。その一方、一休さんも、最初から「何とかなる」といったわけではないのです。頑張って頑張って何とかしようとして、それでもだめだったときの話です。相続の場合もそうですね。「何とかなる」と思うまでに、「何とかしよう!」とできる限りのこ
とをすべきです。
相続の場合、問題点は2つです。つまり税金をできるだけ払わないようにするにはどうするかということと、遺産を誰にどのように(紛争なしに)残すかということですね。
まずは、税金対策の話です。税金対策といっても、脱税は論外です。逮捕・起訴されてしまいます。
合法的に相続税を出来るだけ払わない様にする方法が大切です。子のためには、資産の価値は下げない 相続での評価を下げることが大切になるわけです。つまり、相続財産を、市場での価値は高いが、相続のときの評価は低いものにするということです。
たとえば、1億円の現金を持っている場合ですね。このままでしたら、半分は相続税をとられるとします。そういう時には、その現金で高層マンションの1室を購入するわけです。相続のときには、その部屋は5000万円程度にしか評価されません。つまり、それに対する相続税も安くなるわけです。さらには、1億円の現金に加えて、もう1億円借金をします。そして2億円で高層マンションの部屋を買います。そうして相続が起こりますと、マンションの価値は1億円程度と評価されますよね。借金が1億円ありますので、結局相続財産はゼロとなります。その後、マンションを2億で販売し、1億の借金を返済すると、1億が丸々残ることになるわけです。まあ、こんなにうまくいくわけではありませんが。基本的な考えはこう言うところです。ただ、やりすぎるとリスクも大きくなります。また、現金と違い不動産となると、相続人の間で、どのように分けるかで紛争が起こりやすくなることもあります。
遺産分割ですが、遺言が無いと争いが生じる可能性は相当あります。弁護士として、そういう実例を多く見てきています。相続人の一人が分からず屋だと、なかなか話が進みません。相続財産が高価な土地の場合、その土地が処分できずに、何時までも相続税が払えず、高い延滞税が生じることになります。
さらに、土地について、分割せずにほっておくと、他の相続人が死んだりすると、相続人が次から次に増えていき、最終的に登記が出来なくなることはよくあります。
一人が親を引き取っていた場合、他の相続人は、隠し財産があるのではないか等と疑心暗鬼になります。
さらに、同居の苦労、親の看護にどれだけ尽くしたかなどと話して、少しでも多額の遺産をとろうとして争いはますます激しくなっていきます。
それなら、遺言があればよいのかといいますと、それだけでは必ずしも十分ではありません。遺言が本当に 真意でなされたのかといったことで、争いになることはよくあります。仮に遺言が有効でも、遺留分減殺請求権での争いが起こります。
遺言を生かすためには、あらかじめ各相続人に納得感を持たせるだけの気配りなども欠かせません。
ということで、具体的にどうすれば良いかという話です。そこで、名探偵、エルキュール・ポワロの事件を話したいと思います。たたき上げで大金持ちとなった叔父さんと、高等教育を受けた姪の話です。おじさんは、学問の価値に疑問を持っています。そこで自分が死んだときに、遺言書の中で相続人である姪に、自分の遺産を見つけて見ろと挑戦します。高等教育が役に立つなら、自分の謎を解けるだろうというわけです。ところが姪は、自分で謎を解かないで、ポワロに解決を依頼したわけです。もちろんポワロは謎を解いて、遺産を手に入れます。ある人から、これはズルではないかと言われたポワロは答えました。「専門家に依頼することを学んだことが、高等教育の成果です!」
ここまでいえば、私の話の結論もお分かりと思います。相続の問題についても、是非弁護士や税理士といった専門家にご相談ください!
ということで、私の話は終わらせて頂きます。
ご清聴ありがとうございました。

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