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第11回例会卓話「ユーチューブ活用法」

2020年09月25日

「ユーチューブ活用法」
ユーチューバー 今井寛子様

はじめまして。横浜東ロータリークラブの元ロータリアンの今井宏美の娘でフリーランスコンテンツクリエイターの今井寛子です。
この度はこの様な機会を頂き、本当にありがとうございます。

フリーランスコンテンツクリエイターって何?と疑問に思う方がほとんどだと思います。
簡潔に纏めると、企業やYouTubeチャンネル向けの動画制作の担当者をしています。

主にSONYやNIKE、レッドブル、ビル&メリンダ・ゲイツ団体、Netflix、Asian Boss等々の企業向けの社内用・社外用プロモーション動画制作やSNSのマーケティング担当のプロジェクトに携わらせて頂いて来ました。
素人あがりのいちYouTuberの私が企業チャンネル用の動画の制作アイディアを提案しても鼻で笑われてしまうのが約6年前までの状況でした。
その流れが世界的に大きく変わり始めたのはここ2〜3年の出来事です。

YouTube向けのプロモーション動画の制作費にテレビCMや映画制作レベルの機材の費用を積極的にかける企業が増えて来たのは何故なのか?
答えはとてもシンプルです。
ズバリ、YouTubeはテレビCMよりも結果がすぐに数値として如実に出る事!
視聴者の方々の意見もコメントで直接見られる事で、見てくださる方々が何を求めているのか?のフィードバックも無料で手に入る事です。
それを活かして、より良い内容の動画を作ろうと切磋琢磨していけば、有名人じゃなくても想いが届いて必ず結果が出せるのも魅力的なポイントだと思っています。
例として1年前に担当させて頂いた動画を2本挙げさせて頂きます。
1本目は乙武洋匡さんにご出演頂き、彼の半生について密着取材をさせて頂きました。
2本目は忍者・川上仁一先生をお迎えして密着取材をさせて頂きました。

皆さんはどちらの動画の方が視聴回数が伸びたと思いますか?
私の第一目標としては2本とも100万回再生まで伸ばしたいと思い制作しました。

実は1本目は1年経った今でも13万回しか再生数が伸びず、2本目は公開1週間で100万回再生になり、世界中のテレビ局や映画監督さんから私個人に引っ切り無しにDMの通知音が鳴り止みませんでした。一年経った今は1050万回再生動画になり、この一本の動画がキッカケでイタリアのメディア会社の記事やアメリカの国民的番組、フィリピンのニュースにも出演させて頂けて、たった1本の動画の公開で世界が一気に広がる事を体感し、YouTubeで発信していく事のメリットやその影響力に気付き、貧困問題や環境汚染問題などのドキュメンタリー動画にも取り組んでいくキッカケになりました。
話が逸れてしまいすみません。

この2本の動画の違いは、実は先ほど簡単に触れさせて頂いた視聴者の方々の意見をしっかり取り入れたか、取り入れなかったかという点でした。
1本目の乙武さんの密着動画では、日本の有名人の方にご出演頂いたので撮影時間も短くして、インタビュー以外のシーンの撮影が短かったことからこんなコメントが目立ちました。
・今回はゲストとの距離を感じた。
・もっと色んな事に一緒に挑戦しているシーンも見たかった。
・ちょっと嘘臭く感じた

そのフィードバックを活かしてリベンジのつもりで挑んだ日本忍者協会の川上先生の密着動画では、ゲストに遠慮し過ぎて結果が出せないよりも、せっかく時間を作って頂いたゲスト様の動画は
・踏み込んでお互いに全力でインタビューさせていただく事
・動きのあるシーンの撮影を増やす(忍者歩きを先生に教わって大失敗するシーン・戦い方を教わるシーンなど)
・なるべくゲスト様との距離感を近くするために事前に打ち合わせテレビ電話をしておく

この2本の動画の成功例と失敗例は少し極端でしたが、貴重な視聴者の方々からのコメントに目を通す時間をほんの少しとってみるだけで視聴回数を約80倍以上伸ばせるので、テレビ番組よりも結果を体感したり視聴者・消費者の方々と直接繋がれる事が今の新しいスタイルの凄い所だと思います。
元フジテレビなどのテレビ番組のディレクターさんの友人達も、YouTubeの方が結果を伸ばしやすいと思い切ってYouTubeチャンネルのプロデューサーに転身している方々が今年に入ってからとても増えて来ました。

そんなこれからの可能性に溢れるYouTubeを実際にどう活用すべきなのか?について。
正直、活用法は無限大に存在すると思います。
ロータリアンの皆様はかなりの成功者の方々で、優しく聞き手の心を掴むトーク力も私の様な青二才とは比べ物にならないレベルの方々なので、偉そうにお伝えするのは気後れしてしまいますが、動画制作の失敗例と同じくせっかく貴重なお時間を取って読んで頂いているので変に決めつけたり遠慮せずに良いと思う方法を以下にまとめさせて頂きます。

まず大切なのは、ターゲット層や動画を作る目的・ゴールを設定する事です。
ここがかなり重要なポイントです。発信する側が伝えたい事を明確に理解していない物は、受け取り手の心に響きにくいのでまずはここをしっかり決め込みましょう。
例を挙げてみます。大きくざっくり分けると、今すぐ始められるものには
1)商品の宣伝
2)会社の公式動画
3)社内研修用のツールとしての動画
の3カテゴリーに分類できます。

1)商品の宣伝の場合
例えば、お菓子会社で新商品のお菓子の紹介だけを効果的にしたい場合は、既存の人気YouTubeチャンネルに宣伝を外注するのがベストだと思います。
勿論自社でも紹介動画があるのがベストですが、既に毎回100万回再生数を稼いでいるチャンネルに投げてみた方が結果が出やすいと思います。
ここでYouTuberやインスタグラマーに外注する場合の注意は、ご自身の求めるターゲット層の視聴者層を持っているチャンネルかどうかチェックする工程も重要になります。是非、『視聴者層を確認させて頂きたいので、メディアキットの共有をお願いできますか?』と聞いてしっかりと、ご自身がリーチしたい層への宣伝になるかどうか?のチェックもしてみて下さい。

2)会社の公式動画
企業の公式動画では、もし目的が自社チャンネルを大きくする事の場合は、
・YouTuberの様に特定の方が定期的にトーク動画などを発信する方法
・視聴回数よりも会社のブランドを重要視する方法
・その両方を取り入れる方法
が挙げられます。まず1つ目のYouTuberの様に特定の方が定期的にトーク動画などを発信する方法について。
この方法は日本人の視聴者層がターゲットの場合はとても効果的なアプローチ方法だと思います。
例えば株式会社ロコンドの社長さんの動画の作り方が今のところの1番の成功例で、若年層の視聴者のファンの獲得。それによる売上の向上に上手く繋げられています。
『ロコンド社長です。田中裕輔』というチャンネルで活動されているので是非チェックしてみて下さい。

2つ目視聴回数よりも会社のブランドを重要視する方法について。
このスタイルの動画で爆発的な視聴回数や根強いファンの獲得は正直難しいです。
テレビCMのフルバージョンをYouTubeで公開する事で視聴回数を伸ばす事は可能ですが、プロがかっこいい音楽にのせて編集してあるとすぐに分かる動画を公開するこの方法は、会社のイメージを守りつつ紹介動画を作る場合に適しています。
例えば、SONYの公式YouTubeではこのスタイルの動画・特にインタビュー形式が目立ちます。

3つ目のその両方を取り入れる方法について。
この方法は軌道に乗るまではかなりの時間と労力がかかる事が予想されますが、一貫性のあるテーマや、しっかりと視聴回数が伸びる動画のテンプレートの枠組みを最初に作ってしまえば、1~3年以内に安定した人気チャンネルを作る事は可能です。

3)社内研修用の動画
これは視聴回数にはこだわらず、本来のYouTubeの基本的な使い方になります。
元々YouTubeが出来た当初は、家族や友人に自分のホームビデオなどを見せる事が主な使い方だったので、まずは気軽にこの使い方から始めてみるのもオススメです。
・社長や会長直々に社員の方々向けにメッセージ動画を月に1度届ける事で絆を構築する事
・学校や新入社員の研修の一環として生徒さんや社員の方々に動画を作る課題を出してみるなどの方法があると思います。
実際に0から1を作る事、その一歩を踏み出す事がとても勇気のいる事で、特に日本人は苦手な工程だと思いますが、それに挑戦してみる事で学習できたり、充実感・満足感・達成感も味わえるのでやり方次第でとても楽しい催し物に出来ると思います。

実際に挑戦される際に基本的な動画の作り方のコツなど、何か疑問点等が出てきた際はお気軽にご連絡ください。

最後に・・・
成功してきていらっしゃる皆様の前でプレゼンをするのは、まだまだ青二才の私が今まで経験してきたどの現場よりも緊張しました。
上手に出来た自信はありませんが、それでも最初から諦めず、まずは諦める前に飛び込んでみることが大切だと教えてくれた母、熊田会長を筆頭に暖かく迎え入れて下さったロータリアンの皆様のお陰様でとても勉強になりました。
この度は貴重な会にお招き頂き、本当に有難うございました。
今井寛子:hiropopo0320@gmail.com


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