世界各地の開発途上国では、国貧しきが故に正規の教育が受けられず、そのため子供達(のみならず多くの親たちも)の識字率の低さは我々の想像を超えるものがあります。その向上のための奉仕は国際ロータリーの活動重要ターゲットの一つとして以前より掲げられ、全ロータリアンの参画が呼びかけられてきました。
ハイチは人口750万人、面積28,000平方キロでその大半は山岳地帯、産業の近代化は未だ手付かずで、国民は民族的な刺繍によるマットや壁掛け等で収入を得ており、年平均国民所得は400ドル、識字率は20%にとどまっています。
横浜東ロータリークラブは、西大西洋の小国ハイチ共和国に派遣されたJICA専門官から同国の実情を知り、この国の子供達の識字率向上のため1999~2000年度7,000米ドルを送りこれを支援することを決定しました。
この決定に対し、ハイチ駐在の迫日本国大使(当時)も共鳴され大使館内に『横浜東ロータリークラブ識字率向上資金』と命名し大使館員・ODA専門家の協力を申し出られ、最も有効な支援のできる様約束され、この奉仕活動はスタートしました。
貧しさの故日々の食事を満足に取れぬ子供達のためにアメリカ・フランス等の篤志家による学校給食材料の援助が行われていたことに加え、私たちの資金は識字率向上に充てられ、両々相俟って子供たちの登校も増えたことは喜ばしいことです。
私たちの資金は文房具(教科書を購入できず、教師が黒板に書く問題をノートに写さねばならない)の購入に使われ、今年(2001年)はビデオデッキの購入にも充てられ成果を挙げつつあります。
横浜東ロータリークラブは、細やかではありますが同国の明日を担う子供たちの教育に些かでも役立てたいと、今後もこの支援を継続して参りたいと考えています。
今日(2003年9月)まで、4回の支援を行っています。
2001~2002年度(第3回目)は、3校の幼稚園児及び小学生に対する援助になりました。 同支援により、子供たち(1、770人)の教育(識字)に対して、約半年から1年間学用品の使用が可能になることで、識字に対する意識も向上したものと考えています。
2003~2004年度(第4回目)支援先の小中学校があるシテオカイ地区は、ポルトープランス首都圏、空港近くに位置し、住民過剰とインフラの未整備により、非常に困難な生活を強いられている家族が多く居住しています。
中でも、家族の収入源となる労働環境が劣悪であり、一日一日の生活費を確保することすら厳しく、子供が学校へ通学する費用を捻出することが家庭の最大の懸念です。
その際、学校で必要となる文房具の購入は、特に家庭支援に直結するとともに、同地域の子供の識字率向上および学力向上にもつながります。生徒総数は696名。
送金額 (米ドル) |
寄贈年月 | 寄贈先 | 寄贈品 | |
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第1回 | 7,000 | 2000.3 ~2001.9 |
エコール・ド・レスペラント小中学校 ノートルダム・デュ・サンエスプリ小中学校 エジンバリック小学校 クリック・クラック小学校 エコール・デリア・テトロー識字教室 エコール・サン・ジェラール識字教室 |
学用品 |
2001.8 | エコール・デリア・テトロー識字教室 | 太陽パネル TV・Video |
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第2回 | 2,000 | 2002.1~3 | エコール・サン・ジェラール識字教室 エコール・ド・レスペラント小中学校 クリス・ロア・エステル校 |
学用品 |
第3回 | 2,000 | 2002.7 | エコール・プレスビテラル・デデューヌ (小学校・幼稚園) 園児136名、小学生217名 エコール・サンジェラール・ベネ (小学校・幼稚園) 園児65名、小学生355名 エコール・プレスビテラル・エステル (小学校・幼稚園) 園児260名、小学生736名 生徒総数 1769名 |
学用品 ノート 6730冊 鉛筆 2280本 消しゴム 1032ヶ ボールペン 5400本 チョーク 35箱 印刷用紙500枚 50ヶ |
第4回 | 2,592 | 2003.9 | フラテルニテ小学校 253名 サンポールドシャルトル小学校 65名 サンルイマリードモンフォール中学校 368名 生徒総数 696名 |
学用品 |
フラテルニテ小学校の生徒たち
首都点描
2003年支援文具
大統領府
市場の風景
住宅風景
スラム街外観
野菜売り
首都中心通り
首都郊外
首都中心部の雑踏
シテオカイ地区
ある教室の内部
学校2階から見た近辺の様子
テッド・バン小中学校[2000.2.1]
学校全景
休憩時間
中学生授業風景
給食時間